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2009 年度 実績報告書

B細胞機能に着目した食品アレルギーの発症機構の解明と新規予防法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20780092
研究機関東京農工大学

研究代表者

好田 正  東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (20302911)

キーワードアレルギー / IgE / 親和性 / B細胞 / 抗原アナログ / サイトカン / 細胞内シグナル
研究概要

本研究では,B細胞抗原レセプター(BCR)との親和性の異なる抗原でB細胞を刺激することによるB細胞の応答性の変化およびそのメカニズムを解析し,これをもとにB細胞の機能を任意に制御する方法を確立することを目的とした.
1) 昨年度の研究により,カルボキシメチルデキストランと複合体化させたβ-ラクトグロブリン(β-LG)は天然型のβ-LGと比較してIgEを誘導しにくく,IgG1を誘導しやすいことを明らかにした.このメカニズムを明らかにするために,両抗原で免疫したマウスのT細胞応答の差異を解析した.その結果,複合体は天然型と比較して,低いIL-4,IFN-γ,TGF-β,IL-10の産生能を持つT細胞を誘導した.この結果からは,なぜ複合体がIgEを誘導しにくく,IgG1を誘導しやすいのかを説明することが出来ず,複合体の抗体産生に対する影響はT細胞を介さないメカニズムにより制御されていることが示唆された.
2) 上記の結果より,複合体はB細胞に直接働きかけてIgEとIgG1の誘導に影響を与えていることが示唆された.そこで,BCRとの親和性の異なる抗原が,B細胞に与える影響を解析した。天然型の卵白リゾチーム(HEL)でHEL特異的B細胞を刺激すると増殖応答・抗体産生応答ともに濃度依存的に増加するのに対し,還元カルボキシメチル化HEL (RCM-HEL)を用いて刺激した場合には高濃度で各応答が強く抑制された.この結果は,BCRとの親和性の異なる抗原は全く異なるB細胞応答を誘導することを示している.
3) 最後に,HELおよびRCM-HELでB細胞を刺激し,細胞内に導入されるシグナルを解析した.HELがsykの持続的で強いリン酸化を誘導したのに対し,RCM-HELは一時的な活性化しか誘導できなかった.このシグナルの違いが上述のようなB細胞応答や抗体産生に異なった影響を与える一因であると考えられる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Conjugate of β-lactoglobulin with carboxymethyl dextran in creased the antigen-specific IgG1 production, while it decreased IgE production compared with native β-lactoglobulin2010

    • 著者名/発表者名
      Tadashi Yoshida, et.al., 他3名
    • 雑誌名

      Animal Cell Technology : Basic & Applied Aspects 16 (in press)

  • [学会発表] 抗原アナログによるクラススイッチ制御機構の解析2010

    • 著者名/発表者名
      岡田知拓, 佐藤隆寛, 中村麻菜美, 服部誠, 好田正
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20100000

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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