本課題は、樹木リターの主要な構成成分「リグニン」に着目して、1.樹木リター由来有機物の樹木から土壌への供給プロセスの解明、2.森林土壌への土壌有機物蓄積様式の化学的解析を目的として、亜熱帯から亜寒帯にわたる日本の森林生態系5林分を対象に、リターバック法および固体^<13>C核磁気共鳴法によって落葉分解・腐植生成初期過程を定量評価した。その結果、日本の森林生態系においては気候条件や樹種の違いに関わらず落葉リターの分解速度はほぼ一定の値であること、しかしながらリグニンをはじめとする個々の有機物の分解速度は林相(樹種)によって大きく異なること、を明らかとした。
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