白色腐朽菌Ceriporiopsi subvermisporaによるリグニン分解にはラジカル反応が関与しているが、生成するラジカル種を直接測定した例はない。本研究では、ESR法によるラジカルの直接測定を行い、ラジカル反応によるリグニンモデル化合物の分解機構の解明をおこなった。その結果、ラジカルによってモデル化合物のベンジル位からの水素引き抜き反応が引き起こされていること、その反応性はラジカルの反応性およびモデル化合物のベンジル位におけるC-H結合解離エネルギーと高い相関を持つことが明らかになった。
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