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2008 年度 実績報告書

土壌成分や木材の腐朽生成物が関与する塩化ベンザルコニウムの溶脱メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20780131
研究機関北海道立林産試験場

研究代表者

宮内 輝久  北海道立林産試験場, 性能部, 研究職員 (20446339)

キーワード塩化ベンザルコニウム / 同族体 / 溶脱 / 保存処理木材
研究概要

本研究は塩化ベンザルコニウム(BAC)の溶脱挙動および溶脱に影響を及ぼす因子を明らかにすることを目的とする。本年度はアルキル鎖長の異なるBAC同族体(C12,C14,C16)で処理した木材を用い,土壌中,土壌より抽出した成分または腐朽木材の成分を含む水溶液中での溶脱挙動について検討した。土壌中での溶脱試験の結果,C12とC14の溶脱率には差がなく,C16の溶脱率はこれらよりも低かった。土壌成中の成分を含む水溶液を用いた溶脱試験を行った結果,アルキル鎖長の短いものほど溶脱率が高く(C12>C14>C16),溶脱を評価するために一般的に行われている脱イオン水中での溶脱試験と同様の傾向を示した。この溶脱率の傾向(C12>C14>C16)は,アルキル鎖長の短いものほど水溶性が高いことで説明できると考えられる。また,これらの結果を比較したところ,アルキル鎖長が長いほど土壌成分により溶脱が促進されることが確認された。一方、腐朽木材の成分を含む溶脱試験の結果では,アルキル鎖長の短いものほど溶脱率が高く(C12>14>C16),土壌中の成分と同様の傾向を示したが,腐朽木材の成分を含む場合の方が溶脱率が高かった。また,脱イオン水中での溶脱試験の結果と比較したところ,溶脱の促進はC14>C16>C12の順で高く,土壌成分を含む場合とは異なる特異な傾向を示した。土壌成分を含む水溶液と腐朽木材の成分を含む水溶液の性状を比較したところ,腐朽木材の成分を含む方が低いpHを示し,また成分量も多く,これらの差が溶脱率および溶脱の促進効果に差をもたらしたと考えられた。土壌中での溶脱試験では試験体に腐朽が認められており,腐朽木材の成分による溶脱の促進がC14に対して最も高かったことが,C12とC14の溶脱率が同程度であったことに影響していると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 土壌成分を含む水溶液中での塩化ベンザルコニウムの溶脱-アルキル鎖長の異なる同族体の比較-2009

    • 著者名/発表者名
      宮内輝久、森 満範
    • 学会等名
      第59回日本木材学会大会
    • 発表場所
      まつもと市民芸術会館(長野県・松本市)
    • 年月日
      2009-03-16
  • [備考]

    • URL

      http://www.Fpri.Asahikawa.Hokkaido.Jp/dayori/0806/2.htm

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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