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2008 年度 実績報告書

海洋に広がる薬剤耐性遺伝子-海洋細菌の遺伝子伝達機構と耐性遺伝子新機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20780141
研究機関獨協医科大学

研究代表者

野中 里佐  獨協医科大学, 医学部, 助教 (70363265)

キーワード薬剤耐性遺伝子 / 薬剤耐性菌 / テトラサイクリン / 遺伝子伝達 / 養殖場
研究概要

【本研究の概要】本研究では養殖場海水より分離されたテトラサイクリン耐性Photobacterium daselaesubsp. damselaeから大腸菌へ伝達されるDNA断片の配列の一部を明らかにし、大腸菌ゲノム上での挿入部位について解析した。【方法】対数増殖期のP.daselae subsp.damselaeおよび大腸菌W3110を25℃で約12時間供培養し、テトラサイクリンおよび培養温度(42℃)を利用して接合体を選択した。接合体のゲノム上に組み込まれた耐性遺伝子の周辺配列はインバースPCR法を用いて決定した。また、独立した接合実験で得られた複数の接合体のパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)パターンを比較し、サザンハイブリダイゼーションによりP.daselae subsp. damselae由来DNA断片の挿入部位を特定した。【結果と考察】P.daselae subsp.damselaeから大腸菌へ伝達されたDNA断片のサイズは少なくとも11kb以上であることが明らかになった。またこの11kbのDNA断片上には複数のテトラサイクリン耐性遺伝子やトランスポゾンの遺伝子等がコードされていた。多くの接合体は同じPFGEパターンを示し、サザンハイブリダイゼーションの結果と併せて考えるとP.daselae subsp.damselae由来のDNAフラグメントは大腸菌ゲノム上の限定された領域に挿入されていることが示唆された。
【意義】これまでに養殖環境中から分離される耐性菌の中には耐性遺伝子伝達能をもつものが存在することが明らかになっているが、その詳細な機構は不明である。本研究は環境中における細菌問での遺伝子伝達機構を明らかにしようとしており、得られる成果は耐性菌出現の耐性菌出現・拡大のメカニズム解明、および耐性菌出現の抑止対策につながる点で重要な研究である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Transfer of the chromosomally encoded tetracycline resistance gene tet(M) from marine bacteria to Escherichia coil and Enterococcus faecalis2009

    • 著者名/発表者名
      Neela EA
    • 雑誌名

      World. J. Microbiol. Biothechnol (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 海洋由来Vibrio sp. から大腸菌へ伝達されたテトラサイクリン耐性遺伝子挿入部位の解析2008

    • 著者名/発表者名
      野中里佐
    • 学会等名
      日本微生物生態学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2008-11-26

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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