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2009 年度 実績報告書

海洋に広がる薬剤耐性遺伝子-海洋細菌の遺伝子伝達機構と耐性遺伝子新機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20780141
研究機関獨協医科大学

研究代表者

野中 里佐  獨協医科大学, 医学部, 助教 (70363265)

キーワード薬剤耐性遺伝子 / 薬剤耐性菌 / テトラサイクリン / 遺伝子伝達 / 養殖場
研究概要

【本研究の内容】薬剤耐性遺伝は環境中の広い細菌種に分布しており、養殖環境にも多くの耐性遺伝子保有菌が存在することが明らかになっている。これらの耐性菌の一部は高い効率で他の細菌へ遺伝子を伝達することが確認されており、環境中での耐性菌の広がりに大きく関与していると考えられる。本研究では養殖環境で耐性菌が広がるメカニズムおよび耐性遺伝子の伝達に伴いどのような遺伝子が伝達されているかを明らかにするために養殖場海水より分離したビブリオ科細菌Photobacterium damselae subsp.damselae04Ya311を用いて接合伝達実験を行い、得られた接合体の全ゲノム配列を決定することにより、ドナーから伝達された遺伝子の全塩基配列を決定した。その結果P.damselae subsp.damselae04Ya311約200kbの環状プラスミドが伝達されていることが明らかになった。さらに本プラスミド上には約300のORFの存在が推測され約四割については既知配列との比較により機能予測が可能であり、本プラスミドはテトラサイクリン系、ベータラクタム系、マクロライド系、フロルフェニコール、サルファ剤に対する合計9つの薬剤耐性遺伝子をコードする多剤耐性伝達性のプラスミドであることが明らかになった。さらに本プラスミド上にはグラム陰性菌のtype IV secretion systemに必要とされる全ての遺伝子セットがコードされており、プラスミドの伝達は本システムを介して行われていることが強く示唆された。海洋細菌の遺伝子伝達についてはこれまで詳細な研究例が少なく、今回得られた伝達される情報および伝達メカニズムに関する知見は貴重な研究成果である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 養殖場由来Photobacterium damselae subsp. damselaeの多剤耐性プラスミド全塩基配列解析とその伝達機構2010

    • 著者名/発表者名
      野中里佐
    • 学会等名
      日本細菌学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2010-03-29
  • [学会発表] 沿岸養殖場海水由来Photobacterium damselae subsp. damselaeが保有する200kb薬剤耐性プラスミド全塩基配列解析とその伝達機構2009

    • 著者名/発表者名
      野中里佐
    • 学会等名
      日本微生物生態学会
    • 発表場所
      広島大学(広島県)
    • 年月日
      2009-11-22
  • [学会発表] Partial characterization of conjugative element associated with tetracyclineresistance genes of Pbotobacterium damselae subsp. damselae fromseawater of aquaculture area2009

    • 著者名/発表者名
      Lisa Nonaka
    • 学会等名
      3rd Symposium on Antimicrobial Resistance in Animals and the Environment
    • 発表場所
      VINCI international convention centre (Tours, France)
    • 年月日
      2009-07-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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