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2008 年度 実績報告書

"先祖返り"したイルカの造血器官に関する比較免疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20780145
研究機関日本大学

研究代表者

伊藤 琢也  日本大学, 生物資源科学部, 講師 (20307820)

キーワードイルカ / 造血 / モノクローナル抗体 / 好中球 / 好酸球 / 比較免疫学 / 造血幹細胞
研究概要

水棲動物であるイルカにおける造血器官の存在場所は明確にされておらず、造血器官の形成および造血機序も不明である。本研究は、イルカ血液細胞の供給源である造血幹細胞の定着器官、幹細胞の移動に関わる走化性因子およびその受容体を同定することによって、哺乳動物において特異なイルカの造血の成立機序を明らかにし、その系統発生学的な意義を解明すると同時に、未だ不明な点の多い造血幹細胞の造血微小環境への定着機構および造血に必須な因子・条件を見出すことを目的とする。
当該年度は、バンドウイルカの血球をラットに免疫してイルカ血液細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体の作出を試みた。イルカの顆粒球に対する数種のモノクローナル抗体を作製し、その中からバンドウイルカ好中球に対して特異的に反応する抗体をスクリーニングした。得られた特異抗体のうち、DN1抗体は、バンドウイルカ好中球のみを認識し、他の顆粒球である好酸球、また単核球であるリンパ球および単球を認識しなかった。DN1抗体は、ヒトおよびウシ白血球のいずれにも反応しなかった。DN1抗体を用いた免疫磁気ビーズ細胞分離法によって、バンドウイルカの顆粒球分画から好中球および好酸球を高純度に分離する方法を見いだした。これまでイルカ白血球の高純度分離法は確立されていなかったため、本法の応用によって、水棲哺乳動物の血液細胞および特定細胞群の分離・同定が容易となり、それぞれの細胞機能をより詳細に探索することが可能となった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Production of monoclonal antibody specific for bottlenose dolphin neutrophils and its application to cell senaration2009

    • 著者名/発表者名
      Kato M, et.al.
    • 雑誌名

      Dev. Comp. Immunol 33

      ページ: 14-17

    • 査読あり
  • [学会発表] ハンドウイルカ好中球に対する特異的モノクローナル抗体の作出とそれを用いた血球分離法の確立2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤琢也
    • 学会等名
      第146回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      宮崎大学(シーガイア)
    • 年月日
      2008-09-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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