• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

真骨魚類における淡水・海水特異的分子マーカーの同定と測定系の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20780147
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

廣井 準也  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (20350598)

キーワード塩類細胞 / イオントランスポーター / 環境適応 / 淡水 / 海水 / 浸透圧調節
研究概要

1.昨年度,ティラピアの塩類細胞において,淡水で強く発現するイオントランスポーター2種(NCC,NHE3)と海水で強く発現するイオントランスポーター2種(CFTR,NKCCla)を同定し報告した(Hiroi et al.,2008;Inokuchi et al.,2008)が,今年度は,淡水におけるイオン取り込み機能をさらに詳細に調べるために,NaとClの濃度を変化させた「人工淡水」を作成し,各輸送体mRNAの変化をみた.その結果,NHE3は低Na環境,NCCは低Cl環境で,それぞれ強く発現したため,NHE3はNa,NCCはClの取り込みに,それぞれ関与していることが示唆された(lnokuchi et al.,2009).
2.NCCは研究代表者がティラピアの塩類細胞から発見した新規イオントランスポーターであるが,ゼブラフィッシュの塩類細胞でもNCCが存在すること,低Cl環境においてNCCが強く発現すること,NCCを特異的阻害剤Metolazoneやアンチセンスモルフォリノオリゴで阻害するとClの取り込みが阻害されることなどが明らかとなった(Wang et al.,2009).
3.ニジマスからはNCC遺伝子を単離できなかったが,NHE3遺伝子を単離することができた.ニジマスでは腎臓にのみ発現するNHE3aと鯉の塩類細胞にのみ発現するNHE3bが存在し,NHE3bは低イオン環境で強く発現することがmRNA・タンパク両レベルで明らかとなった.NHE3bは酸・塩基調節にも関与していると考えられるが,酸性環境での発現の亢進は認められなかった.また,今回作成したニジマスNHE3bに対する抗体は,ニジマスだけでなくティラピア,シャッド,タイセイヨウサケなどでも有効であったため,真骨魚類全般で利用可能なユニバーサル抗体としての利用が期待できる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Morphological and functional classification of ion-absorbing mitochondria-rich cells inthe gills of Mozambique tilapia.2009

    • 著者名/発表者名
      Inokuchi, M., et al.
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Biology 212-7

      ページ: 1003-1010

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of SLC12A10.2, a Na-Cl cotransporter-like protein, in a Cl uptake mechanism inzebrafish (Danio rerio).2009

    • 著者名/発表者名
      Wang, Y. F., et al.
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology -Regulatory, lntegrativeand Comparative Physiology 296-5

      ページ: R1650-1660

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi