研究概要 |
近年, あらゆる分野においてグローバル化が進んでいるが, アジアにおいて歴史的にも文化的にも重要な位置を占めるコメに関する分野も例外ではない。本研究における目的は, コメ消費主要国の年代別のコメ消費水準を把握し, 各国における消費者のコメの購買行動およびその背後にある価値意識の相違点を明らかにすることにある。 これは, フードシステムのグローバル化に伴う価値意識の変化に加えて発展段階的な価値意識の変化を解明することも含んでおり, 先進国にとっても開発途上国にとっても非常に意義深い研究となることが期待される。 1. 文献整理 年度の前半部分に, 本研究完了時の整合性と論理性を強固にするために, 既往研究の整理を行った。具体的には, 消費論, 販売戦略論, 統計分析, コメの需要/消費分析に関しての文献, 著作物をレビューし, 本研究の位置づけをより明確にすることができた。また, 海外での調査のために調査票を作成した。 2. 現地調査 上記と合わせて, 現地調査を行った。これは, クラスター分析によるコメ消費水準の分類の現実との整合性を高めるため, また, アンケート調査の調査票を作成するための実態調査・面接調査であった。文献等のレビューの結果, 日本における実態の把握が不十分であることが明らかになってきたため, 平成21年度の海外調査に向けた国内調査を中心に, 主に九州地域におけるコメ農家, 野菜農家, 加工業者に対する調査を実施した。
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