研究概要 |
本研究における目的は,コメ消費主要国の年代別のコメ消費水準を把握し,各国における消費者のコメの購買行動およびその背後にある価値意識の相違点を明らかにすることにあった。この点については,平成20年度の研究によってかなりの部分を明らかにし,これらを学会誌に投稿(「青果物購入時の消費者の価値観と商品属性評価の関係」食農資源経済論集59(1)),報告('A Study of Food Consumption Patterns and Consumers' Rice Purchase Behavior in Asia : For a Farming Strategy Reflecting Consumer Needs', The ISSAAS International Congress 2008)してきた。 そこで,本年度は対象品目を日本産のイチゴとし,国外の消費者の消費行動について明らかにすることを目的として研究を同時に進めてきた。これは,当初目的と同様,経済の発展段階による消費水準および消費行動を明らかにすることで,先進国にとっても開発途上国にとっても非常に意義深い研究となることが期待される発展的な研究である。 具体的には,台湾の消費者を対象として,日本産イチゴの価格に対する反応を明らかにするために,価格感度分析を実施し,その消費行動を明らかにした。また,このような研究成果は国内外で公表することが必要であることから,日本フードシステム学会およびISSAAS(東南アジア農学会)にて報告を行った。 国際的な比較までを行う予定であったが,時間的制約から実行が困難であったため,今後,他の国の消費者を対象に同様の調査・研究を行い,さらにコメ消費ついて明らかにした部分と合わせて体系的に整理していく予定である。
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