申請時の計画では、現地調査は、平成20年度に農村部で、21年度に都市部で実施することとなっていたが、調査員確保上の都合により、都市部での調査を20年度に、農村部での調査を21年度に実施することとした。 平成20年8月にカンボジアで予備調査を実施し、調査地を選定した上で、同年12月から平成21年1月にかけて、首都プノンペンにて若年出稼ぎ労働者に調査票を用いた聴き取り調査を実施した。調査対象は18歳から30歳までの男女(男子246人、女子146人、うち既婚者は男子51人、女子19人)で、その主な職業は、男子がバイクタクシー運転手、建設作業員、荷物運搬など、女子は全員が縫製工場労働者である。調査では、プノンペンでの労働条件や生活実態などのほか、将来の帰村意思や(希望する)結婚相手とその理由、親からの土地相続の有無などについて尋ねた。 この調査で得られたデータの分析にはまだ着手できていないが、平成21年度に実施する農村部での調査結果とあわせて分析することにより、農村から都市への出稼ぎが、出稼ぎ労働者の居住地や職業、結婚相手の選択ならびに土地相続の有無を通じて、農村や都市の人口構成、労働市場、農村の土地分配や産業構造にどのような効果を及ぼしているかを把握する。
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