研究概要 |
本年度は対象地である遠野市の遊休田・遊休畑を活用したバイオ燃料生産の可能性評価とエネルギーおよびCO2収支でのLCAを試みた。ここでは,バイオ燃料として、飼料米から作るバイオエタノールと菜種油から作るBDFを想定し,E3およびB5の生産可能量と遠野市におけるガソリンと軽油の消費量との比較することでバイオ燃料利用可能性の評価を行った。その結果,それぞれの域内自給率は,E3で170%~200%、B5で27%~87%となり,域内のガソリン消費量は全てE3で代替可能であるが、軽油については、全てはカバーできないことが分かった。また、E3およびB5を利用した際には、バイオエタノールとBDFの分で、ガソリンと軽油を代替したことになる。この時のCO2排出削減量についても試算を行った。バイオエタノールとBDFのライフサイクルの各工程におけるエネルギー投入とCO2排出量を試算し、地域内のバイオ燃料製造による環境負荷についての評価を行った。その結果、バイオエタノールでは,エネルギー投入量に対して約3.8倍のエネルギーが算出可能であると試算された。また、CO2排出量の合計は約224tであった。E3によるCO2削減量が2,051tなので、差し引き1,827tのCO2削減になると試算された。BDFでは,エネルギー投入量に対して約7倍のエネルギーが算出可能であると試算された。その結果、CO2排出量の合計は約90tであった。BDFでのCO2削減量が1,162tなので、全体で1072tのCO2削減になると試算された。
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