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2008 年度 実績報告書

空間データマイニングによるソーシャルキャピタルの局地的差異の抽出と要因分析

研究課題

研究課題/領域番号 20780172
研究機関京都大学

研究代表者

西前 出  京都大学, 地球環境学堂, 助教 (80346098)

キーワードソーシャルキャピタル / 空間的自己相関 / 地理情報システム / 空間データマイニング / 経験ベイズモランのI / ジオリファレンス
研究概要

対象地域でのアンケート調査を元に集計した「ソーシャルキャピタル(SC)の高い層の割合」を集落界ごとに振り分けたGISデータを構築し, サンプル数の少ない地域の変動を補正して最小限に抑えることのできる経験ベイズモランのI統計量を用いて分析を行った。その結果,集落ごとの「SCの高い層の割合」の明確な正の空間的自己相関を確認することが出来た。
一般に, 個々の空間的事物は, 空間座標とその属性によって捉えることができるが, 多くの場合は事物間の位置関係に対応した規則的な影響を受けあって共変動関係を持つ。しかしながら, SCは, 個人や集団の内面によって異なるものであり, その尺度としての「SCの高い層の割合」についてそれぞれ空間的な影響や関係を集落間で持つと考えるのは妥当ではなく, 歴史的な経緯で醸成されてきたと考えられるSCが, 集落の枠組みを超えた空間単位で醸成されてきたため空間的な自己相関が検出されたと考えられる。
近隣の集落では「SCの高い層の割合」の連続性が確認できたため, 集落ごとにSCを考慮するよりも, 施策の性質によっては, 旧村や市町村などの, より大きな単位に同一性のあるSCが存在するという空間特性を考慮すべき場合もあると示唆できた。人口の減りつつある日本の農山村でSCを計る様な場合にはサンプル数が極端に少なくなることが多々あり, 統計上の不安定さが増すようなケースは少なくない。本年度の研究で用いた経験ベイズの推定法によりこうした問題は解決が可能であることも実証的に示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 経験ベイズモラン法を用いたソーシャルキャピタルの空間的自己相関分析2008

    • 著者名/発表者名
      西前出・市田行信・吉川郷主・小林愼太郎
    • 雑誌名

      環境情報科学論文集 22

      ページ: 315-320

    • 査読あり
  • [学会発表] 経験ベイズモラン法を用いたソーシャルキャピタルの空間的自己相関分析2008

    • 著者名/発表者名
      西前出
    • 学会等名
      環境情報科学
    • 発表場所
      日本大学(東京)
    • 年月日
      2008-11-25
  • [学会発表] ソーシャルキャピタルを計る2008

    • 著者名/発表者名
      西前出
    • 学会等名
      環境情報科学
    • 発表場所
      日本大学(東京)
    • 年月日
      2008-11-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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