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2009 年度 実績報告書

空間データマイニングによるソーシャルキャピタルの局地的差異の抽出と要因分析

研究課題

研究課題/領域番号 20780172
研究機関京都大学

研究代表者

西前 出  京都大学, 地球環境学堂, 助教 (80346098)

キーワードソーシャルキャピタル / 空間データマイニング / 主観的健康感 / 空間分析
研究概要

本年度は,ソーシャルキャピタル(SC)の構成要素を詳細に分析すること,および空間データマイニング(DM)手法を実際に適用すること,の二つのテーマについて研究を進めた。前者では,SCの構成要素のうち「信頼」に着目し,さらにこれを「一般的信頼」と「地域内住民に対する信頼」に分けて,自分は健康であると感じているかという「主観的健康感」との関連についてロジスティック回帰を用いて分析を行った。これには2006年に研究代表者等が京都府北部にて行った大規模アンケートデータを使用している。分析の結果では,「一般的信頼」よりも「地域内住民に対する信頼」の要素が「主観的健康感」に大きく関連があることが明らかとなった。従来のブリッジング型SCを重視すべしといつた多くの既往研究に対して,ボンディング型SCに着目した地域社会のあり方の重要性を指摘している。
後者の研究では,モンゴルにおける家畜分布の特徴を空間DM手法を用いて詳細に分析を行った。モンゴルは民主化後の自由経済のあおりを受け,遊牧民は利潤を追求して家畜を劇的に増やしてきた。しかし,植生に与える影響は既に環境容量を超えているという指摘もあり,モンゴル全土での家畜分布とその変化を詳細に把握する必要がある。そこで,Local Indicator of Spatial Associations(LISA)という空間分析手法を適用し,モンゴルの主要家畜(ラクダ,馬,牛,羊,ヤギ)の分布について時系列解析を行った。結果として,カシミヤが採取できるヤギの増加が著しく,この変化は地理的条件や気候に影響を受けずほぼ全域でヤギが増加しており,その他の家畜は地理的条件や家畜の特性による制約により,その分布には大きな変化がないことが明らかになった。この分析手法適用事例の成果により,今後本プロジェクトにおいて空間DM手法を適用する際にモデルの精緻化を測ることが期待できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Spatial analysis of time-series changes in livestock distribution by detection of local spatial associations in Mongolia2010

    • 著者名/発表者名
      Izuru Saizen, Ai Maekawa, Norio Yamamura
    • 雑誌名

      Applied Geography

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 一般的信頼と地域住民に対する信頼の主観的健康感に対する影響の比較2009

    • 著者名/発表者名
      福島慎太郎・吉川郷主・市田行信・西前出・小林愼太郎
    • 雑誌名

      環境情報科学 23

      ページ: 269-274

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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