研究概要 |
東京農業大学網走寒冷地農場において,夏季・冬季を通した土壌水分と地温に関する観測を開始した。冬季,日平均気温が氷点下になるのに伴って表層土壌が凍結を開始し,最大で深さ28cmまで土壌が凍結した。凍土層の下層(未凍土)では,夏季に湿潤な状態を保ち,水移動はほとんど下向きだったのに対し,冬季,土壌凍結の発達に伴って土壌が著しく乾燥し,上向きの水移動が卓越した。このように,夏季と冬季できわめて対照的な土壌水分の動態を示すこととが明らかになった。この原因を明らかにするために,実験室内において,土壌の水ポテンシャルが凝固点に及ぼす影響を明らかにするための実験を行った。異なる3つの測定方法(加圧板法,遠心法,凝固点降下度法)で土壌の水ポテンシャルを測定したところ,マトリックポテンシャルに加え,浸透ポテンシャルが水ポテンシャルに及ぼす影響が示唆された。
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