• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

気候変動下の寒冷地農地において不凍水が土壌凍結・融解時の水移動に果たす役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20780178
研究機関東京農業大学

研究代表者

鈴木 伸治  東京農業大学, 地域環境科学部, 講師 (00459710)

キーワード気候変動 / 寒冷地 / 凍土 / 不凍水 / 水移動
研究概要

東京農業大学網走寒冷地農場において開始した土壌水分と地温に関する観測の結果を解析した。また,凍土層内で不凍水の水ポテンシャルが低下する要因について,クラウジウス・クラペイロンの式をもとに,浸透ポテンシャルとマトリックポテンシャルの寄与を調べた。具体的には,自然な状態の土壌に対し,塩化カリウム溶液を混合することによって,電気伝導度(EC1:5)の異なる試料を数種類作り,凝固点降下度法によって水ポテンシャルを測定し,併せて遠心法によってマトリックポテンシャルを測定し,比較した。その結果,観測圃場における溶質の濃度(EC1:5=0.17dS/m)では,水ポテンシャルの低下は主にマトリックポテンシャルの低下に起因していることが明らかになった。
一方で,圃場で用いている水ポテンシャルセンサの特性を詳細に調べるために,観測圃場の土壌を用いてテンシオメータと比較できる実験を室内で行い,センサの測定範囲を明らかにした。
これらの結果をもとに,圃場での観測結果を吟味したところ,凍結・融解時における凍土層,および凍土層下層のマトリックポテンシャルの定量化に成功し,季節による変化の特徴を明らかにすることができた。さらに,凍土層内の透水係数を推定し,土壌凍結が進行している際の凍土内の水移動の定量化についても試み,既往の研究結果と比較して妥当な値を得た。
以上のことから,不凍水が土壌の凍結・融解時の水移動に果たす役割について,不凍水のマトリックポテンシャルを定量化することにより明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 熱電対用小型データロガーを用いた地中熱流量および純放射量の測定とエチオピア国中央部での利用2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木伸治・田島淳・真田篤史・渡邉文雄・高橋悟・関山哲雄
    • 雑誌名

      沙漠研究

      巻: 20(4) ページ: 201-206

    • 査読あり
  • [学会発表] 寒冷地農地における凍土層および下層土のマトリックポテンシャルの定量化2010

    • 著者名/発表者名
      葛城拓也・鈴木伸治・伊藤博武・高橋悟
    • 学会等名
      2010年度土壌物理学会大会
    • 発表場所
      鳥取大学,鳥取市
    • 年月日
      20101000
  • [図書] エチオピア中央部の気象および土壌の特性と問題点,中村好男・豊田裕道編,食と農と資源,第II部,第5章,p.118-129.2010

    • 著者名/発表者名
      鈴木伸治
    • 総ページ数
      228
    • 出版者
      共立出版

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi