研究課題
本年度は、竹林防除と獣害対策を目的とした京都府綾部市の肉用牛放牧試験における、GPSによる放牧牛の行動軌跡データの収集を中心に行なった。2個体にGPSを装着し、試験期を3期(6月・8月・9月)に分け、それぞれ10日間ほど5分間隔での移動軌跡データを収集した。同時に、個体の体重測定を行ない、個体の体重変化を測定した。測定した移動軌跡データから、Kernel密度関数を用いて個体の行動圏を推定し、昼夜における行動圏の変化から、試験地全体の雑草防除を検討する際に、個体が試験地をどれほど広範囲に利用しているかを評価した。またGISを用いた3次元での放牧牛エネルギー要求量推定を行なった。試験地の竹林伐採後の再生頻度測定は、試験協力者の京都府畜産技術振興センター主任研究員である吉岡正行氏および技師である太田典宏氏がデータ収集を行なった。また、7月末から滋賀県畜産技術振興センターの協力のもと、滋賀県東近江市で行なわれている休耕田放牧にて、妊娠牛2頭にGPSを装着して子牛分娩前後1ヶ月ほどの母牛の行動軌跡を測定した。この滋賀県の試験地においても、個体の行動圏推定を行ない、試験地において対象家畜の行動圏の偏りを評価した。現在は、得られたデータをもとに解析を進め、学会および論文発表を順次行なう一方、バイトカウンター等を用いたさらなるデータ収集と解析法の開発を進めており、今後のより詳細な放牧牛エネルギー要求量の推定を検討するための準備を行なっている。
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Proceedings of the 13th Animal Science Congress, The Asian Australasian Association of Animal Production Societies
ページ: 562
Proceedings of the 9th International Conference on Goats
ページ: 154