研究課題
本研究により以下のことが明らかとなった。1)まず、7番および12番染色体上のIgf2-H19メチル化可変領域(DMR)およびIG-DMRを欠損したマウスを使って作製した二母性マウス胚を胚移植した。胎齢12.5日において胎盤を摘出して、マイクロアレイ解析に供し、それぞれの領域内のインプリント遺伝子によって制御を受ける遺伝子群を決定した。これにより、新たなマウス胎盤形成に関わる遺伝子群を示すことができた。さらに、これら二領域のインプリント遺伝子発現を調節することで二母性マウスの胎盤形成が正常になることを証明した。2)次いで、H19-DMRのみ、あるいは、H19-DMRに加えてH19遺伝子そのものを欠損した変異マウスから作製した二母性マウス胚を用いて、Igf2遺伝子が胎盤形成および胎子形成に果たす役割を詳細に分析した。この結果、血管新生に関係する遺伝子の転写量の調節にIgf2遺伝子の発現が関与する可能性を示すことができた。3)最後に、二母性マウスの寿命について分析した。その結果、二母性マウスは野生型マウスに比べて約30%寿命が長いことが明らかになった。さらに、白血球の成分値を比較したところ、二母性マウスでは好酸球の割合が有意に高いことが示された。以上の二母性マウスの研究を通して、父性メチル化インプリント遺伝子が個体発生に及ぼす影響を明らかにするとともに、正常な個体発生に必須な父性メチル化インプリント領域を決定することができた。
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