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2008 年度 実績報告書

胃食道逆流症モデル動物における食道運動の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20780206
研究機関岐阜大学

研究代表者

椎名 貴彦  岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (90362178)

キーワード食道 / 胃食道逆流症 / 疾患モデル
研究概要

本年度は、実験動物を用いて、胃食道逆流症と食道機能に関連する基礎的知見を得ることを目標とした。まず、新たな食道疾患モデル動物として、スンクスの有用性を検討した。さらに、胃内容物成分の急性暴露モデルとして、摘出食道標本への酸暴露を試みた。
1. 新たな食道疾患モデル動物の開発
現在汎用されているラットやマウスなどの実験動物は、ヒトと異なり、嘔吐しないという特徴がある。一方、嘔吐現象と胃内容物の逆流には関係があることは容易に予想できる。そこで、嘔吐する実験動物として知られるスンクスSuncus murinusを新たな食道疾患モデル動物として応用可能かどうかを調べた。
スンクスの食道は、ラットやマウスと同じく横紋筋で構成されていること、食道筋は迷走神経の支配を受けていること、さらに、主な神経伝達物質としてアセチルコリンを用いていることを形態学的に明らかにした。また、スンクスの食道運動のin vitro(ex vivo)実験系を確立した。これらの結果は、スンクス食道にはラットやマウスと類似の特徴があり、今後、ラットやマウスと同様の実験が可能であることを示唆している。
2. 食道への酸暴露の食道運動機能に対する影響
ラットおよびマウスから食道を摘出し、食道を支配する迷走神経を電気刺激して食道標本の収縮運動を惹起させた。胃内容物の逆流を想定して、食道へ酸性緩衝液を投与したところ、まず、食道運動の抑制反応が引き起こされた。さらに、強酸性条件下では、食道筋の収縮反応が誘発された。この結果は、酸は食道運動の異常化を誘導することを示唆しており、胃食道逆流症の症例で見られる食道運動不全の一因であることが考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Galanin modulates vagally induced contractions in the mouse oesophagus2009

    • 著者名/発表者名
      Boudaka A, Worl J, Shiina T, Shimizu Y, Takewaki T, Neuhuber WL.
    • 雑誌名

      Neurogastroenterol Motil 21

      ページ: 180-188

    • 査読あり
  • [学会発表] ラット食道運動におけるカプサイシン感受性神経の役割2009

    • 著者名/発表者名
      椎名貴彦、嶋剛士、バウダカアッマール、武脇義、志水泰武
    • 学会等名
      第19回日本病態生理学会大会
    • 発表場所
      所沢市民文化センター(埼玉県)
    • 年月日
      2009-01-24
  • [学会発表] ラット食道粘膜筋板平滑筋の収縮を制御する神経伝達物質2008

    • 著者名/発表者名
      椎名貴彦、嶋剛士、武脇義、志水泰武
    • 学会等名
      第55回中部日本生理学会
    • 発表場所
      愛知医科大学(愛知県)
    • 年月日
      2008-10-17
  • [備考]

    • URL

      http://www1.gifu-u.acjp/~yshimizu/physiology/top_page.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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