研究概要 |
行動評価系の検討のため、2種のげっ歯類を用いた以下の調査・実験を行った。実験室内でラットに小型振動記録計を装着し、行動に伴う時系列加速度情報の記録及び温度や照度に伴う変化について検討した。室内での実験では、体重に対して加速度計(18g)が大きすぎる可能性と室内での発現する行動が野生条件下とは異なる可能性が考えられた。そのため、野生げっ歯類で、ラットより大型であるヌートリアを用いて、屋外実験を行った。野生化のヌートリアを捕獲し、動物装着型記録計を装着したのち、無拘束下での行動を記録した。これにより、本研究で検出を目的としている、げっ歯類が行う自然な行動パターンのデータを得ることが出来たため、これらのデータの比較検討を行った。振動記録計から得られた加速度データは、これまで解析が困難であったが、これを定量的に解析するための解析アルゴリズムを開発した(Sakamoto et.al. PLoS ONE. In press, Sato et.al. PLoS ONE, In press)。このアルゴリズムを実装し、また簡便に実行することが出来るコンピューターソフトウェアを開発した(Ethographer Vier. 1.3)。このソフトウェアは、現在インターネット上で公開され、誰でも無料で使用することができる(http://bre.soc-i.kyoto-u.ac.jp/bls/index.php?Ethographer)。また、評価系確立のための行動毒性モデルラットを作成のためのラットへの脳室内投与実験に向けた実験条件の検討を行った。
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