• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

セスバニアー根粒菌共生系の改良により排水からのリン酸回収を促進させる技術開発

研究課題

研究課題/領域番号 20780231
研究機関東京大学

研究代表者

青野 俊裕  東京大学, 生物生産工学研究センター, 助教 (10372418)

キーワード環境技術 / 廃棄物再資源化 / 応用微生物
研究概要

本研究は、マメ科植物Sesbania rostrata (セスバニア) -根粒菌Azorhizopbium caulinodansの共生系において、「窒素固定期間を長くし」、かつ、根粒菌が進化させた「ATP利用効率の最適化」を敢えて「非効率化」することにより、この共生系のリン酸要求量を増大させることを目的としている。「根粒の寿命に関与するであろうphrR遺伝子の機能解析」および「ATP依存型・非依存型のカリウム・リン酸輸送系制御の解析」を行うことでA. caulinodansの茎粒内での生存戦略およびATP消費節約戦略に関する新たな知見を見いだす基礎的研究を実行する。
(1) phrR遺伝子に関して : A. caulinodansのphrR遺伝子にコードされる推定転写因子 (PhrR) により制御される遺伝子群の探索を行うために、マイクロアレイ解析を行った。その結果、phrR遺伝子破壊株では機能未知な低分子タンパク質をコードする遺伝子群の発現が恒常的に高くなることがわかり、PhrRはおそらくこれらの低分子タンパク質遺伝子群の発現を抑制する転写因子である推測された。
(2) カリウム吸収系に関して : A. caulionodansは少なくとも3種類のカリウム吸収システム (Kup, Kdp, Trk) を持つことがゲノム配列から判明した。これらのシステムをそれぞれ破壊した株を作製し、茎粒形成能を評価したところ、茎粒におけるカリウム吸収はATP非依存型のKupシステムのみに依存していることが判明した。また、KupおよびTrkの両システムを破壊した株ではATP依存型のKdpシステムが恒常的に発現し、窒素固定能を持つ茎粒を形成した。このことからKupシステムに依存せずとも茎粒内でカリウムを吸収できることが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] An outer membrane autotransporter, AoaA, of Azorhizobium caulinodans is required for sustaining high N2-fixing activity of stem nodules.2008

    • 著者名/発表者名
      Suzuki T, Aono T, Liu CT, Suzuki S. Iki T. Yokota K. Ovaizu H
    • 雑誌名

      FEMS Microbiology Letters 285

      ページ: 16-24

    • 査読あり
  • [学会発表] Azorhizobium caulinodans ORS571におけるphrR遺伝子の機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      秋葉紀子、青野俊裕、小柳津広志
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-09-09
  • [学会発表] Azorhizobium caulinodans ORS571におけるカリウム吸収関連遺伝子群の機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      戸矢崎裕希、青野俊裕、小柳津広志
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-09-09
  • [学会発表] Azorhizobium caulinodans ORS571におけるマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析2008

    • 著者名/発表者名
      塚田周平、青野俊裕、小柳津広志
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-09-09

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi