研究課題
植物は温度や乾燥などの環境ストレスにさらされると、数多くの遺伝子の発現を誘導することが知られている。中でも顕著に誘導されるのが、LEA(Late Embryogenesis Abundant)タンパク質やハイドロフィリンに代表される親水性タンパク質である。これらのタンパク質は、生体膜の安定化、タンパク質の保護、あるいは浸透圧調節など様々な機能を有する「多機能性ポリペプチド」であると考えられている。申請者らはこれまでに、LEA様タンパク質Cor15amにタンパク質保護活性があること、さらにホモ多量体を形成していることを明らかにしてきた。今年度はまず、酵母ツーハイブリッド法を用いてCor15mmの多量体形成に関与するドメインの探索を行った。その結果、少なくともこの方法では全長Cor15am同士の相互作用が検出できないことが示唆された。一方で、Cor15amの相互作用は化学架橋法では検出できたため、今後はこの方法を用いてさらに分子間相互作用を解析する予定である。これに加え、COR15Aと類似性の高い遺伝子COR15Bをシロイヌナズナからクローニングし、その諸性質を調査した。また、シロイヌナズナ以外の植物にCOR15A類似遺伝子が存在するか明らかにするため、ミズバショウ及びザゼンソウの肉穂花序からcDNAを単離し、関連遺伝子のクローニングを試みた。
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Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 74
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http://www.inabalab.org/