研究課題
シロイヌナズナ近縁の塩生植物、Thellungiella halophilaの様々な組織、あるいは塩・低温・凍結ストレス、および植物のストレス応答において重要な役割を担っているABAを処理した植物を用いて、完全長cDNAライブラリーを作製した。本研究では、この完全長cDNAライブラリーを利用して、機能獲得型変異株単離法である、Full-length cDNA Overexpressor mutant hunting(FOX hunting)を、シロイヌナズナおよび、モデル作物である、Micro-Tom(極矮性トマト)を供試植物として行い、耐塩性を付与することの出来る遺伝子を単離すると同時に、耐塩性作物の作出を試みることを目的としている。平成20年度においては、約1,000ラインのシロイヌナズナ形質転換植物を作出した。これらのラインを用いて、塩ストレス、浸透圧ストレス、高温ストレスによるスクリーニングを行ったところ、それぞれ、4、3、4ラインのストレス耐性株を単離した。このうち8ラインについては同じ遺伝子を導入した複数ラインのトランスジェニック体で耐性が確認できたことから、少なくとも8個のストレス耐性付与遺伝子の同定に至った。またモデル作物、Micro-Tbmについては当研究室における遺伝子導入方法(形質転換系)の確立を目指した。これまでにいくつかのトランスジェニック植物の作出に成功したものの、未だ遺伝子導入効率が低いため、その改良に取り組んでいる。
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