4種類のCタイプレクチン(DC-SIGN、DC-SIGNR、LSECtin、Langerin)の詳細な糖鎖結合特異性を糖鎖複合体アレイとフロンタル・アフィニティークロマトグラフィー(FAC)で解析した。その結果、DC-SIGN、DC-SIGNR、LSECtinはマンノース、フコースに加えて、Nアセチルグルコサミンを非還元末端に有するアガラクトN型糖鎖に結合親和性を有することを初めて明らかにした。これらレクチンはアガラクトN型糖鎖を有する糖タンパク質に結合して、細胞内に内在化する機能を有することがわかり、アガラクト糖タンパク質のクリアランスに関係していることが示唆された。また、アガラクトN型糖鎖を有する内在性リガンドの探索を行っている。また、Langerinに関してはマンノースに加えて、新たにガラクトールの6位が硫酸化されている硫酸化糖鎖に結合する活性を有することが分かった。また、KS6STと呼ばれる硫酸転移酵素が、Langerinリガンドを合成する活性を有することが分かった。KS6STの発現は脳と脾臓で高く、実際にLangerinリガンドがこれら組織に発現していることを明らかにした。また、Langerinはカンジダ、マラセチアなどの病原真菌に対して結合する活性も有することがわかり、自己と非自己両方のリガンドを認識する機能を有することを明らかにした。
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