本研究目的としては、高速向流クロマトグラフィー質量分析法(HSCCC/MS)の開発検討を行い、具体的に新規天然機能性物質の探索やスクリーニングを実施することにある。それと同時に、その生理活性を示す分析技術の開発も行う。本年度では、新たな抗酸化活性物質をターゲットとするため、HPLC/DPPHラジカル消去活性法及びアミロイドβ酸化修飾抑制試験を開発し、HSCCC/MSでの効率的な単離精製へ応用することを目指した。 その結果、アントシアニン系色素(シソ色素、赤キャベツ色素、エルダーベリー色素)の抗酸化成分を効率的に単離精製することが達成できた。また、抗生物質のひとつである環状ペプチドエンラマイシンの単離精製に対しても、HSCCC/MSを応用することが可能となり、その有用性を示すことができた。 最終年度では、HSCCC/MSをルーチンシステムとすることを目指し、更なる抗生物質や天然抗酸化物質を対象とした効率的な単離精製を目指す。
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