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2009 年度 実績報告書

脳細胞傷害時における細胞間情報伝達分子としての過酸化水素の役割

研究課題

研究課題/領域番号 20790052
研究機関北海道大学

研究代表者

片山 貴博  北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (90399957)

キーワード過酸化水素 / 脳細胞傷害 / 脳スライス培養系 / サイトカイン / ケモカイン / エダラボン / ラジカル消去薬 / 脳保護薬
研究概要

過酸化水素(H_2O_2)が脳傷害時の細胞間情報伝達分子として働いている可能性を考え、昨年度の検討では、ラットの大脳皮質線条体領域から作製した脳スライス培養系を用い、H_2O_2が濃度依存的に細胞傷害およびアストロサイトでのケモカインMCP-1の産生を惹起すること、また、ラジカル消去薬エダラボンはH_2O_2による細胞傷害を濃度依存的に抑制する一方で、MCP-1産生には全く影響を与えないことを明らかにしてきた。さらに、他のラジカル消去薬ジメチルチオウレアや鉄のキレート剤2,2'-dipyridy1は、エダラボンとは異なり、H_2O_2による細胞傷害およびMCP-1産生の両方を濃度依存的に抑制することも明らかにしてきた。そこで、本年度は、H_2O_2によるMCP-1以外のサイトカイン/ケモカイン発現変化を検討するとともに、変化が認められたものに関しては、その発現変化に対するこれらラジカル消去薬の効果を検討した。ラットの大脳皮質線条体領域から作製した脳スライス培養系において、H_2O_2はCINC-1やIL-6、LIFなどのmRNA発現を有意に増加させた。そこで、これらのmRNA発現上昇に対するエダラボンの効果を検討したところ、IL-6およびLIFについてはMCP-1同様に抑制されなかったが、CINC-1 mRNA発現上昇は有意に抑制された。また、ジメチルチオウレアおよび2,2'-dipyridy1は、H_2O_2によるIL-6、LIF、CINC-1いずれのmRNA発現上昇に対しても有意な抑制作用を示した。以上より、これらサイトカイン/ケモカイン産生に対する抑制効果の違いが、エダラボンと他のラジカル消去薬の脳保護薬としての薬理作用の差の一端を担っている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Sustained activation of ERK signaling in astrocytes is critical for neuronal injury induced monocyte chemoattractant protein-1 production in rat corticostriatal slice cultures2010

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Katayama
    • 雑誌名

      Eur.J.Neurosci. 31

      ページ: 1359-1367

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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