PCR法により緑膿菌染色体DNAからPA5471遺伝子のコード領域を増幅したDNA断片をplasmid pET23a(+)に導入し、N末端に6つの連続したヒスチジン残基を持つPA5471(以下PA5471-his)大量産生用プラスミドを構築した。それを大腸菌BL21(DE3)/pLysSに導入した。その形質転換大腸菌の全タンパク質をSDSポリアクリルアミド電気泳動で分離し、PA5471-hisタンパク質の産生を抗6×His抗体により検出した。現在PA5471-hisタンパク質を精製中である。PA5471遺伝子上流領域をT7プロモーター下流に導入し、in vitro転写システムを構築した。現在それにin vitro翻訳システムを組み合わせ、in vitro転写翻訳システムを構築中である。さらにMexXYの生理的機能を探るため、MexXY発現プラスミドを主要な多剤排出ポンプ遺伝子acrBを欠損した大腸菌変異株KAM3に導入したものを用いて、メタボローム解析を行った。その結果、MexXYの基質としてホモセリンやメチオニンなどアミノ酸系のものが考えられた。現在PA5471、MexXY、MexZに関する一連の緑膿菌遺伝子破壊株を用いてメタボローム解析を行っているところである。 一方で私はPA5471遺伝子上流に13のアミノ酸残基からなる小さいオープンリーディングフレームが存在することを見出した。PA5471とその上流遺伝子の遺伝子間領域に関してサブクローニングを行い、それらをlacZ遺伝子に導入した。βガラクトシダーゼ活性を測定することによりプロモーター活性を測定した。上流の小さいオープンリーディングフレームの翻訳がPA5471遺伝子の転写を抑制する機構を示唆している。
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