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2008 年度 実績報告書

ダウン症マウスモデルの脳における神経伝達物質の包括的解析と新規治療標的分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 20790089
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

石原 慶一  独立行政法人理化学研究所, 神経遺伝研究チーム, 研究員 (80340446)

キーワードダウン症候群 / 神経伝達物質 / モデルマウス
研究概要

ダウン症候群(DS)は精神遅滞を呈する発症頻度の高い遺伝子疾患であるが、精神遅滞をはじめとする病態メカニズムは不明である。申請者は脳内神経伝達物質のアンバランスがDSの精神遅滞に関与している可能性を考えており、これまでにDSモデルマウス脳での神経伝達物質量の異常を検討した報告はない。そこで、本研究課題はDSモデルマウスTs1Cjeの神経腹側前脳部, 線条体および海馬における神経伝達物質量を網羅的に野生型マウスと比較検討することでDSの病態メカニズムに迫ることを目的としている。脳凍結切片から各脳部位を切り出し、抽出物に含まれる生体モノアミン, その代謝物および遊離アミノ酸量を電気化学検出器付きHPLCにて定量解析したところ、(1)線条体におけるドパミンおよびセロトニン濃度の増加傾向およびそれらの代謝異常, (2)神経腹側前脳部および海馬におけるセロトニンおよびノルエピネフリン濃度の増加ならびにそれらの代謝系異常および(3)遊離アミノ酸量の変化を示唆する結果を得た。これらの結果は、DSモデルマウスの異常としては全く新しい知見であり、DS病態解明への重要な手がかりと言える。当該研究室では、Ts1Cjeの様々な行動試験を行い、新奇環境下における多動性を見いだしており、今回認められた神経伝達物質量や代謝の異常の内、ドパミン代謝系の異常に注目している。現在、間接的ドパミンアゴニストとして知られるメタンフェタミンを投与し、神経伝達物質濃度およびその行動異常に及ぼす影響について解析している。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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