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2008 年度 実績報告書

核膜の高分子拡散バリア能の再評価

研究課題

研究課題/領域番号 20790090
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

下薗 哲  独立行政法人理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, 研究員 (40391982)

キーワード蛍光タンパク質 / 核膜 / 細胞分裂 / フォトコンバージョン / 拡散
研究概要

研究の目的は、細胞分裂後の核膜の透過性の変化を検討することである。HeLa細胞に紫外線を照射することにより蛍光特性を緑色から赤色に変化させる(フォトコンバージョンする)ことのできる蛍光タンパク質KikGRを発現させ、細胞分裂後の核膜透過性の変化を検討した。KikGRは4量体を形成し、その分子量が約103kであるため、「分子量60k以上の分子は核膜を単純拡散により透過できない」という通説によれば、細胞質にとどまるはずである。しかしながら、細胞質部分に405nmのレーザを照射し、赤色化したKikGRの核内への拡散を観察すると、細胞質分裂後30分は核膜を透過できることが明らかとなった。また、mECFP(monomeric enhanced cyan fluorescent protein)をKikGRに融合し、分子量約210kのタンパク質の挙動を観察すると細胞質分裂後約10分は細胞質から核へmECFP-KikGRは拡散可能であることがわかった。本研究の発見は、前述の「分子量60k以上の分子は核膜を単純拡散により透過できない」という通説を覆すものである。様々な研究結果の解釈がこの通説に基づいてなされており、その解釈は間違ったものである可能性がある。また、レトロウイルスは細胞分裂をする細胞にのみ感染するが、本研究で明らかとした細胞質分裂後数十分の間に感染が成立する可能性がある。レトロウイルスの感染機構の解明に貢献する可能性が高い。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 蛍光タンパク質を用いた核膜透過性の検討2008

    • 著者名/発表者名
      下薗哲、宮脇敦史
    • 学会等名
      日本生物物理学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2008-12-04

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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