N-ミリストイル化の触媒酵素であるN-ミリストイルトラスフェラーゼ(NMT)は、ヒトにおいてNMT1とNMT2のisozymeが存在し、これはエイズの原因ウイルスであるHIV-1複製に必須の宿主因子となる。HIV-1の構造タンパク質であるPr55^(gag)及びアクセサリータンパク質NefはNMTによってNミリストイル化される。本研究で、NMTのアミノ末端領域はリボゾームへの局在・結合に必要とされることが明らかになった。また、NMT1とNMT2のリボゾームへの結合が、それぞれ特異的にPr55^(gag)とNefのN-ミリストイル化と関連している可能性が示唆された。この結果から、HIV-1産生阻害を達成するために、NMTのアミノ末端を介したリボゾームへの結合の阻害が有用となることが示唆された。
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