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2008 年度 実績報告書

日和見感染菌の病原性発現に関与する鉄獲得機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20790124
研究機関松山大学

研究代表者

舟橋 達也  松山大学, 薬学部, 准教授 (60343646)

キーワード鉄 / シデロフォア / 細菌 / 日和見感染菌
研究概要

鉄イオン(以下、鉄)は細菌を含むほとんど全ての生物の生存、増殖に必須な元素である。Acinetobacter baumanniiは日和見感染菌の1つに分類され、近年、本菌の抗生物質多剤耐性化が臨床現場で問題となっている。本菌の生存、増殖においても鉄は必須の元素であり鉄欠乏ストレスに応答してacinetobactinと呼ばれるシデロフォア(三価鉄輸送キレーター)を産生し、特異的な鉄制御外膜受容体(BauA)を介して鉄を取り込むことが明らかにされている。本研究では、BauA以外に鉄欠乏条件下、発現が認められる外膜蛋白質5種についてそのN末端アミノ酸配列を決定し、そのうち2種については全長遺伝子をクローニングした。当該遺伝子は大腸菌などが産生するシデロフォア、aerobactinに対する受容体IutAとcoprogenに対する受容体FhuEにそれぞれ相同性が認められた。本菌は鉄欠乏条件下、aerobactin、coprogen添加により増殖が促進することを明らかにし、外因性シデロフォアとして利用能を有していた。さらにfhuE homologについて挿入変異株を作製し、その機能を解析したところ、coprogen、rhodotorulic acidを介した鉄輸送に関与していることが明らかとなった。一方、臨床分離株29株についてシデロフォア産生の有無とその分類を行ったところ、22株においてシデロフォア産生が認められ、11株ではacinetobactinの産生が検出された。その他、7株ではcatechol系シデロフォア、4株ではhydroxamate系シデロフォアの存在が検出され、本菌でのシデロフォア産生における多様性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 鉄輸送キレーター(シデロフォア)の産生とその関連遺伝子群の検出によるAcinetobacter属菌臨床分離株の解析2008

    • 著者名/発表者名
      舟橋達也
    • 学会等名
      日本鉄バイオサイエンス学会学術集会
    • 発表場所
      青森県ホテルアラスカ
    • 年月日
      2008-09-13

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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