研究課題
本申請研究は、副作用の少ない新規の抗腫瘍血管療法の開発を目指し、腫瘍血管内皮細胞へと特異的に取り込まれ、細胞内へと薬物をデリバリー可能な「細胞内侵入抗体」を創製しようとするものである。H21年度では、前年度に腫瘍血管マーカーとして期待される、VEGFR2, Robo4, TEM7に対する細胞内侵入抗体を複数単離することに成功した。また、VEGFR2に対する細胞内侵入抗体について、詳細な特性を評価したところ、本抗体は、細胞表面に結合後、僅か2時間という短期間で細胞内へと33%も取り込まれることが明らかとなった。これは、医薬品化されている細胞内侵入抗体Myrotargに匹敵する効率であり、本侵入抗体の有用性が示唆される結果であった。また、その細胞内侵入活性を利用したがんミサイル療法へと本抗体を適用すべく、蛋白質合成阻害因子PSIFとの融合体を発現・精製し、その抗腫瘍効果をin vivo腫瘍モデルマウス(B16BL6腫瘍モデル)にて評価したところ、細胞内侵入活性を有するクローンのみが顕著な抗腫瘍効果を発揮することを明らかとした。これはimmuno-conjugate製剤開発における細胞内侵入活性の重要性を示唆するものであり、今後の創薬開発に重要な情報を提示するものであると考えられる。今後は、Robo4, TEM7に対する細胞内侵入抗体についても同様の検討を行うことで、本テクノロジーから得られたクローンの更なる有用性を追求する予定である。
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