小児急性リンパ性白血病(ALL)に対しては、プロトコールに従い化学療法を行うものの、抗がん剤に起因する重篤な副作用がしばしば認められる。本研究では、ALL維持療法中の患者を対象として、重篤な肝障害発現と関連する遺伝子多型について網羅的に解析を行った。その結果、肝障害発現との関連性を認めた遺伝子座28カ所を同定した。このうち、Rho GTPase-activating protein 24(ARHGAP24)遺伝子上に存在するrs1966862は肝障害発現と最も関連性が高く、RAS guanyl releasing protein 1(RASGRP1)rs7403531遺伝子多型などにも肝障害発現と関連性する遺伝子多型の存在を認めた。これら遺伝子多型および関連遺伝子の機能解析が小児ALL維持化学療法中の肝障害発現を予測する上で有用であると考えられた。
|