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2009 年度 実績報告書

破骨細胞における葉酸トランスポーターの同定と輸送機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20790141
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

井上 勝央  名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (50315892)

キーワード葉酸 / 担体輸送 / トランスポーター / ビタミン / 吸収 / 破骨細胞 / リソソーム
研究概要

fblate(水溶性ビタミン)は、folate receptor(FR)介在性のエンドサイトーシスによってエンドソームやリソソームなどの細胞内小胞器官に運ばれた後、小胞膜を介して細胞質へ輸送されると考えられているが、その輸送機構に関する情報は極めて乏しい。一方、破骨細胞の細胞形態的・機能的な特徴がリソソームと類似している点に着目すると、破骨細胞におけるfolate輸送機構の一部はリソソームにおける輸送系と同様であると推察されるため、リソソーム膜でのfolate輸送機構を把握することは、破骨細胞におけるfolate輸送機構の解明及びfolate拮抗薬を用いた薬物療法の最適化を推進するうえで有用であると考えられる。昨年度の研究において、ラット腎リソソームを用いてfolate輸送について検討した結果、酸性領域(pH5.5)を至適とする高親和性のfolate輸送活性を見出した。そこで本年度は、そのラット腎リソソームで認められたfolate輸送の詳細な輸送特性を明らかにすると共に、同様の輸送機構が破骨細胞系に存在するかどうかについて検討した。輸送解析の結果、本輸送系はfolate誘導体に対して極めて特異的であり、その親和性は、folate>tetetrahydrofolate(THF)>5-methyl-THF>5-formyl-THF>methotrexateの順に高いことが明らかとなった。さらにこのfolate輸送は、コハク酸、リンゴ酸や乳酸などの内因性カルボン酸類の共存下において活性化することが示された。また、破骨細胞の前駆体細胞であるRAW264細胞から調製したライソソーム膜においても類似の輸送特性を確認することができた。これらの輸送特性は、還元型folate輸送担体(RFC1)、FR及びH^+/folate共輸送担体(proton coupled folate transporter、PCFT)とは異なるため、ライソソーム膜におけるfolate輸送には未知のトランスポーターが関与していることが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Identification and functioal characterization of the first nucleobase transpo rters in mammals : implication in the species difference in the intestinal absorption mechanism of mucleobases and their analogs between higher frimates and other mammals.2010

    • 著者名/発表者名
      Syunsuke, S., et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 285

      ページ: 6522-6531

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evaluation of 4, 6-diamidino-2-phenylindole as a fluorescent probe substrate for rapid assays of the functionality of human multidrug nad toxin extrusion proteins.2010

    • 著者名/発表者名
      Yasujima, T., et al.
    • 雑誌名

      Drug Metab.Dispos. 38

      ページ: 715-721

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional characteristics of two human MATE transporters : kinetics of cimetidine transport and profiles of inhibition by various compunds.2009

    • 著者名/発表者名
      Ohta, K., et al.
    • 雑誌名

      J.Pharm.Pharmaceut.Sci. 12

      ページ: 388-396

    • 査読あり
  • [学会発表] 葉酸吸収におけるPCFT/SLC46A1の役割2010

    • 著者名/発表者名
      井上勝央、湯浅博昭
    • 学会等名
      日本薬学会第130年会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2010-03-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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