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2009 年度 実績報告書

抗癌剤代謝酵素のエピジェネティクス解析による個人差解明

研究課題

研究課題/領域番号 20790142
研究機関東北薬科大学

研究代表者

佐々木 崇光  東北薬科大学, 薬学部, 助手 (20382674)

キーワードTPMT / エピジェネティクス / マイクロRNA / 遺伝子多型 / 個人差 / 抗癌剤代謝酵素
研究概要

本年度は、健常人肝臓(HAB研究機構より入手)を用いTPMTのタンパク質発現量、mRNA発現量及び遺伝子多型解析を行った。40検体を解析した結果、低TPMT活性の検体においてはタンパク質発現量が低く、タンパク質の安定性低下に起因した酵素活性の低下をもたらすTPMT*3A等のバリアントアレルを有していることが明らかになった。平成20年度のヒト癌化細胞株による検討及び本年度の結果から、TPMT活性の個人差は遺伝子多型による影響が強く、DNAメチル化の寄与は小さいあるいはないものと示唆された。
次に、TPMT mRNAの3'非翻訳領域に対するデータベース解析から、TPMT mRNAと結合する可能性が高い数種類のマイクロRNAを同定した。その中でも最も結合性が高いと推測されるhas-miR-24を対象として、ヒト癌化細胞株HepG2、HSC-2、PC-3、A549、HeLa、PK-1、HEK293、LNCap FGC、Caco-2からsmall RNAを抽出し、その発現量の定量を行った。その結果、ヒト前立腺癌由来細胞株を除く他の細胞株ではそのTPMT活性とhas-miR-24発現量の間に良好な逆相関関係が認められた(R^2=0.5486)。なお、各種ヒト癌化細胞株におけるTPMT遺伝子の3'非翻訳領域は、シークエンス解析により配列が同様であることを確認している。さらに、健常人肝臓のうち遺伝子多型を有さない検体について、has-miR-24発現量を測定したところ、ヒト癌化細胞株と同様にTPMT活性と逆相関傾向が確認された(R^2=0.4205)。以上のことから、TPMT活性の臓器間の差あるいは個人差にマイクロRNAが関与している可能性が示唆された。
また、6-MPの代謝酵素群に着目して、ITPase、HGPRT、IMPDH、GMPSのSNPスクリーニングを行い、6-MP療法に影響を及ぼす可能性がある新規SNPをIMPDH2において1種類同定した。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] Genetic Variations in the HGPRT, ITPA, IMPDH1, IMPDH2, and GMPS genes in Japanese Individuals2009

    • 著者名/発表者名
      Mutsumi Kudo
    • 雑誌名

      Drug Metabolism and Pharmacokinetics 24

      ページ: 557-564

    • 査読あり
  • [学会発表] タモキシフェン代謝におけるCYP2D6バリアント酵素の機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      作山佳奈子
    • 学会等名
      第30回日本臨床薬理学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-03
  • [学会発表] キサンチンオキシダーゼ活性の個人差に影響を及ぼす遺伝子多型2009

    • 著者名/発表者名
      工藤睦
    • 学会等名
      第30回日本臨床薬理学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-03
  • [学会発表] キサンチンオキシダーゼ活性の個人差に影響を及ぼす遺伝子多型2009

    • 著者名/発表者名
      工藤睦
    • 学会等名
      第48回日本薬学会東北支部大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2009-10-18
  • [学会発表] CYP1A1, CYP1A2誘導スクリーニングのためのin vitro同時評価系の構築2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤渉
    • 学会等名
      第48回日本薬学会東北支部大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2009-10-18
  • [学会発表] アデノウイルスベクターを用いた薬物代謝・毒性評価系の確立2009

    • 著者名/発表者名
      高橋昌悟
    • 学会等名
      第48回日本薬学会東北支部大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2009-10-18
  • [学会発表] 多環芳香族炭化水素類によるCYP3A4転写活性化分子機構の解析2009

    • 著者名/発表者名
      庄司理恵
    • 学会等名
      第48回日本薬学会東北支部大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2009-10-18
  • [学会発表] タモキシフェンの薬効発現に影響を及ぼすCYP2D6バリアント酵素のin vitro解析2009

    • 著者名/発表者名
      作山佳奈子
    • 学会等名
      第48回日本薬学会東北支部大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2009-10-18
  • [学会発表] チオプリンS-メチルトランスフェラーゼ(TPMT)遺伝子多型によるバリアント酵素の機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      佐々木崇光
    • 学会等名
      第4回東北薬科大学ハイテク・リサーチ・シンポジウム
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2009-05-29
  • [学会発表] チオプリンS-メチルトランスフェラーゼ(TPMT)における発現調節因子の解析2009

    • 著者名/発表者名
      佐々木崇光
    • 学会等名
      第4回東北薬科大学ハイテク・リサーチ・シンポジウム
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2009-05-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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