研究課題
In vivoにおけるnucleoside類の胎盤取り込みの評価を発展させるため、[^3H]adenosineおよび抗ウイルス薬である[^3H]ddIおよび[^3H]AZTを妊娠ラットに静脈内投与し、胎児胎盤系への取込みクリアランスをインテグレーションプロット解析により行った。非透過マーカーである[^<14>C]mannitolと比較し、[^3H]adenosineおよび[^3H]AZTの取込みは顕著に高かった。一方、[^3H]ddIの取込みは[^<14>C]mannitolと同程度であった。したがって胎盤でのnucleoside輸送の重要性および抗ウイルス薬による輸送特性の差が示された。ラット胎盤刷子縁膜ベシクルを調製し、[^3H]adenosine取込みは主にNBMPRの感受性および速度論解析からENT1およびENT2で輸送されることが示された。妊娠糖尿病時における胎盤の核酸取り込み輸送機能を評価するため、streptozotocin (STZ)を妊娠ラットに投与し病態モデルラットを作製した。胎盤におけるENT1,2およびCNT1,2,3のmRNA発現を解析したところ、CNT2の発現が有意に上昇していた。これは病態ラットから作製した胎盤刷子縁膜ベシクルへの[^3H]adenosine輸送におけるNa+依存性が増加していたこと、またwestern blotにおいてもCNT2の発現が上昇していることも観察された。血管収縮性にも関与するadenosineの妊娠糖尿病での胎盤内動態において、胎児発育不全との関連をさらに解明することが重要である。
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