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2009 年度 実績報告書

肺胞マクロファージ活性型/結核治療遺伝子製剤開発のための基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 20790145
研究機関東京理科大学

研究代表者

藤原 成芳  東京理科大学, 東京理科大学・薬学部, 助教 (50365425)

キーワード遺伝子製剤 / 結核 / マクロファージ
研究概要

結核菌は代表的な細胞内寄生菌であり、体力や免役力の低下に伴い発症する。主に肺胞マクロファージ内に潜伏感染することが知られており、この排除が結核の根治治療につながると考えられる。最近の報告からマクロファージ内においてオートファジーの誘導が結核菌の排除に有効であることが示されている1)。またマクロファージの再活性化も重要と考えられる。
我々はマクロファージ内にオートファジーの誘導し、またマクロファージを活性化して結核菌を排除する遺伝子製剤の開発に向け研究を行って来た。まず始めに候補遺伝子製剤のクローニングを行い(IRF1, IRF3, IRF7, STAT1, TRAF6)、これを発現ベクター(CAT7neo)に組み込んだ。そのうちTraf6遺伝子が効果的なオートファジーの誘導とマクロファージの活性化を誘導することを発見した。Traf6遺伝子はコントロールと比べて約2.5倍のオートファジー誘導を示し(LC3-II発現量)、約2倍のマクロファージ活性を誘導した(NO産生能)。この結果よりTLR受容体下流のシグナル伝達分子をターゲットにした遺伝子製剤の可能性を示すことができた。また現在他の分子、遺伝子に関しても更なる検討を加えているところである。
また我々はこの遺伝子製剤を効果的に投与するためのドラッグキャリアーに付いても研究を進めた。我々がスプレードライ法で作成した粒子径約2μmのPLGA粒子は効果的に肺胞マクロファージに取り込まれ、かっ封入物質を徐放的にマクロファージ内に放出することが示されたことから効果的なドラッグキャリアーとして用いることが可能であると考えられる2)。またリポソームをベースにしたドラッグキャリアーに付いても検討を進め、遺伝子を効果的にマクロファージ内に導入することを示すことができた。これらの結果から、遺伝子製剤を効果的に細胞内に投与する手段も整えられつつあると考えている。
1) Gutierrez, M.G et. al.(2004) Cell 119, 753-766
2) T. Onoshita, N. Fujiwara et. al. (2010) Colloids and Surface B: Biointerfaces 76 151-157

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The behavior of PLGA microspheres containing rifampicin in alveolar macrophages2010

    • 著者名/発表者名
      T.Onishita, N.Fujiwara, et. al.
    • 雑誌名

      Colloids and Surface B : Biointerfaces 76

      ページ: 151-157

    • 査読あり
  • [学会発表] The development of anti-tuberculosis gene drug inducing autophagy and activating of macrophage2009

    • 著者名/発表者名
      藤原成芳
    • 学会等名
      日本薬物動態学会
    • 発表場所
      京都・国立京都国際会館
    • 年月日
      2009-11-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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