大麻主成分の臨床適性使用に向けた予防薬学的基礎研究

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20790149
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 医療系薬学
• 研究機関: 北陸大学
• 研究代表者: 竹田 修三 第一薬科大学, 薬学部, 講師 (00460379)
• 研究協力者: 渡辺 和人 北陸大学, 薬学部, 教授 (30113038) ; 山本 郁男 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (50069746) ; 山折 大 北陸大学, 薬学部, 助教 (40360218)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2009
• キーワード: 大麻草 / カンナビノイド / 乳がん / テトラヒドロカンナビノール

研究概要

米国において、大麻主成分のテトラヒドロカンナビノール(THC)はがん患者などでモルヒネが効かない重篤な痛み緩和の目的で投与される。本研究は、がん患者、特に乳がんに注目し、THCの臨床適正使用に向けた基礎研究である。THCは分子中に、女性ホルモンと類似した部分を有していた。女性ホルモンは乳がん増殖を促進したが、THCの共存下でその効果が消失した。低女性ホルモン条件下(閉経後乳がんモデル)でTHCを添加した場合、逆に増殖の促進が見られた。本研究により、THCは女性ホルモンと相互作用し、乳がん増殖に影響を与える可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Cannabidiol-2', 6'-Dimethylether, a Cannabidiol Derivative, Is a Highly Potent and Selective 15-Lipoxygenase Inhibitor (2009)
  • 著者名/発表者名: Takeda, S., Usami, N., Yamamoto, I., Watanabe, K.
  • 雑誌名: Drug Metab. Dispos. 37 ページ: 1733-1737
  • 査読あり
• [雑誌論文] Aromatase in MCF-7 Breast Cancer Cell Growth Induced byΔ9-Tetrahydrocannabinol (2009)
  • 著者名/発表者名: Takeda, S., Yamamoto, I., Watanabe, K.
  • 雑誌名: Toxicology 259 ページ: 25-32
  • 査読あり
• [雑誌論文] Cannabidiolic acid as a selective cyclooxygenase-2 inhibitory component in cannabis (2008)
  • 著者名/発表者名: Takeda, S., Misawa, K., Yamamoto, I., Watanabe, K.
  • 雑誌名: Drug Metab. Dispos. 36 ページ: 1917-1921
  • 査読あり
• [雑誌論文] Δ9-Tetrahydrocannabinol enhances MCF-7 cell proliferation via cannabinoid receptor-independent signaling (2008)
  • 著者名/発表者名: Takeda, S., Yamaori, S., Motoya, E., Matsunaga, T., Kimura, T., Yamamoto, I., Watanabe, K.
  • 雑誌名: Toxicology 245 ページ: 141-146
  • 査読あり
• [雑誌論文] 大麻文化科学考(その19) (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡辺和人, 木村敏行, 山折大, 竹田修三, 宇佐見則行, 山本郁男
  • 雑誌名: 紀要(北陸大学) 32 ページ: 1-11
• [学会発表] Cannabidiol-2', 6'-dimethylether, a potent and selective inhibitor for low-density lipoprotein-producing enzyme (2009)
  • 著者名/発表者名: 竹田修三
  • 学会等名: 第3回次世代を担う若手医療薬科学シンポジウム
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2009-11-15
• [学会発表] 動脈硬化症予防を目指した新規バイオプローブの開発:悪玉コレステロール生成酵素阻害に基づくアプローチ (2009)
  • 著者名/発表者名: 竹田修三
  • 学会等名: 第8回次世代を担う若手ファーマ・バイオフォーラム
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2009-11-14
• [学会発表] カンナビジオール誘導体、カンナビジオール-2', 6'-ジメチルエーテル:選択的かつ強力な15-リポキシゲナーゼ阻害剤 (2009)
  • 著者名/発表者名: 竹田修三
  • 学会等名: 日本薬学会第129年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2009-03-26
• [学会発表] Δ9-テトラヒドロカンナビノールによるMCF-7乳がん細胞増殖の細胞内エストロジェン産生系による調節 (2008)
  • 著者名/発表者名: 竹田修三
  • 学会等名: 日本薬学会衛生部会:フォーラム2008:衛生薬学・環境トキシコロジー
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 2008-10-17
• [学会発表] カンナビジオール酸, 大麻草中の選択的シクロオキシゲナーゼ-2活性阻害成分 (2008)
  • 著者名/発表者名: 竹田修三
  • 学会等名: 日本法中毒学会第27年会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2008-06-14