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2008 年度 実績報告書

脳における水チャネル、アクアポリンの分布局在の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20790160
研究機関日本医科大学

研究代表者

松崎 利行  日本医科大学, 医学部, 准教授 (30334113)

キーワード水チャネル / アクアポリン / ラット / 中枢神経 / 免疫組織化学
研究概要

本研究では、脳内の水の移動ルートおよびその発生過程に伴う変化を理解することを目的とし、脳におけるアクアポリン(AQP)水チャネルの分布局在を検討する。本年度は申請者が作製したAQP1、AQP2、AQP3、AQP4、AQP5の特異抗体を用いてラット中枢神経における分布を免疫組織化学的に検討した。その結果、AQp1とAQP4が分布することが確認された。AQp1は脳室脈絡組織に分布したが、脳実質には分布しなかった。AQP4は脳実質の広範囲に分布した。AQP4は脳の血管周囲の神経膠細胞終足に分布することが報告されているが、血管周囲に限らず広範囲に分布することから、その分布を詳細に検討した。血管のマーカーとして糖輸送体GLUT1(glucose transporter 1)、神経細胞のマーカーとしてNeuN(neuronal nuclei)、神経膠細胞のマーカーとしてGFAP(glial fibrillaly acidic protein)を用いてAQP4との蛍光二重染色をおこない脊髄から脳の全領域を検討した。その結果、AQP4は血管周囲に限らず、神経膠細胞全体に分布することがわかりつつある。さらに種々の神経核では個々の神経細胞の周囲を取り囲むような強いAQP4の免疫反応が得られた。そのほかにも非常に強い免疫反応が得られる領域があることがわかった。これらAQP4の分布がとくに多い領域では、とりわけ水の供給量が多いことが想定され、興味深い結果である。
AQP4の血管周囲の神経膠細胞終足への局在は、AQP4がアダプタータンパク質を介してアクチン細胞骨格と結合することで保たれる可能性が示唆されている。アダプタータンパク質の候補のひとつとしてRIL(reversion-induced LIM protein)に注目し、RILとAQP4との関係の解析もおこない論文として発表した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Localization of reversion?induced LIM protein(RIL) in the rat central nervous system2009

    • 著者名/発表者名
      Yuko Iida
    • 雑誌名

      Acta Histochem Cytochem 42

      ページ: 9-14

    • 査読あり
  • [学会発表] ラット中枢神経系における水チャネルAQP4の分布局在の検討2009

    • 著者名/発表者名
      松崎利行
    • 学会等名
      第114回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] ラット脳における水チャネルAQP4の分布局在2009

    • 著者名/発表者名
      松崎利行, 澤井信彦, 高田邦昭, 小澤一史
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会関東支部第33回講演会
    • 発表場所
      新宿
    • 年月日
      2009-03-07
  • [学会発表] マウス耳下腺腺房細胞の果粒放出に伴う, 頂部細胞膜タンパク質AQP5の分布局在の変化2008

    • 著者名/発表者名
      松崎利行
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会関東支部第33回講演会
    • 発表場所
      新宿
    • 年月日
      2008-03-07
  • [図書] 組織細胞化学20082008

    • 著者名/発表者名
      高田邦昭
    • 総ページ数
      1-11
    • 出版者
      学際企画

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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