本研究では、脳における水代謝を理解する目的で、水チャネルであるアクアポリンの分布局在を詳細に検討した。脳においては広範囲にわたってアクアポリン4が神経膠細胞であるアストロサイトの細胞膜に分布することが分かった。これまでアクアポリン4は血管周囲に限局するとされていたが、より広範囲に分布し、脳内の水の移動にきわめて重要なはたらきをしていることが推察された。また、脳を含めて広範囲にアクアポリンの分布を調べた結果、マウスの呼吸器系上皮ではアクアポリン5がラットの呼吸器系上皮よりも広範囲にわたって分布することを見出し、呼吸機能におけるアクアポリン5の重要性が示唆された。
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