NLRR4の脊髄神経節での発現の解析を行った。NLRR4は、成獣において小型の痛覚感受性の神経細胞の一部に発現していることを明らかにした。小型の痛覚感受性の神経は、TrkA陽性の神経ペプチドを含む神経細胞と、Ret陽性で神経ペプチドを含まない神経細胞に分類されるが、NLRR4発現細胞はどちらの細胞群の一部に発現していることを明らかにした。また、発生過程における発現細胞の解析を行ったところ、発生の胎生後期から出生後において強い発現が認められた。この時期は、シナプス形成が盛んな時期であり、NLRR4はその構造から接着因子として働いていることが考えられ、NLRR4がシナプス形成に関与する可能性を示唆した。一方、NLRR4発現細胞の分類を既存のマーカーとの二重染色により試みたが、NLRR4発現細胞は、いずれの時期においても既存のマーカー分子において分類できなかったことから、NLRR4発現細胞は特定のサブタイプに細胞に発現している訳ではないが、一部の神経細胞に発現していることが明らかになった。
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