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2010 年度 実績報告書

下垂体ホルモン産生細胞の機能亢進・過形成・腫瘍化におけるレチノイン酸合成の動態

研究課題

研究課題/領域番号 20790165
研究機関自治医科大学

研究代表者

藤原 研  自治医科大学, 医学部, 講師 (00382945)

キーワード下垂体 / レチノイン酸 / 腫瘍 / エストロゲン / 細胞間相互作用 / オートクライン / パラクライン
研究概要

これまでの研究で、エストロゲン高感受性ラットを用いてエストロゲン誘発プロラクチノーマを作成し、下垂体でRALDH1 mRNA発現が減少することを見出した。そこで、エストロゲンのアゴニストであるDESを詰めたサイラスティックチューブを皮下に移植し、プロラクチノーマを誘発した後、DESチューブを除きプロラクチノーマの変化とそれに伴うRALDH mRNA発現の変化をリアルタイムPCR法により定量解析した。DESにより形成されたプロラクチノーマはDESを除くことで縮小したが、3ヶ月経過しても正常な下垂体の大きさには戻らなかった。プロラクチノーマではRALDH1発現は著しく減弱しており、DESを除いてもその発現は抑制されたままであった。これらの結果からRALDH11の抑制による局所でのレチノイン酸合成の低下がプロラクチノーマの形成に関与する可能性が考えられた。
さらに、正常下垂体前葉から細胞を単離し、レチノイン酸を添加した培地で培養した後、各前葉ホルモン遺伝子及び視床下部ホルモン受容体遺伝子の発現をリアルタイムPCR法により定量解析した。前葉ホルモンのうち成長ホルモン、プロラクチンは増加し、甲状腺刺激ホルモンは抑制された。受容体では成長ホルモン放出刺激ホルモン受容体及びドーパミン2型受容体の発現が促進された。All trans-、9cis-レチノイン酸ともに濃度依存的、時間依存的に各種遺伝子発現を変化させた。これまでの結果から、下垂体前葉でレチノイン酸が合成され、オートクライン、パラクラインによりホルモン遺伝子の発現を制御する可能性が示唆された。また、レチノイン酸は視床下部ホルモン受容体遺伝子の発現にも作用することから、視床下部ホルモンの感受性を高め、間接的に分泌を制御していることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] In situ hybridization reveals that type I and III collagens are produced by pericytes in the anterior pituitary gland of rats.2010

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara K, et al.
    • 雑誌名

      Cell and Tissue Research

      巻: 342 ページ: 491-495

    • 査読あり
  • [学会発表] Retinoic acid as a non-peptidic paracrine/autocrine factor in the anterior pituitary gland2011

    • 著者名/発表者名
      藤原研, その他
    • 学会等名
      第88回日本生理学会大会、第116回日本解剖学会総会・全国学術集会 合同大会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      2011-03-28
  • [学会発表] ラット下垂体前葉における線維性コラーゲン遺伝子発現細胞の同定2010

    • 著者名/発表者名
      藤原研, その他
    • 学会等名
      第14回日本内分泌病理学会学術総会
    • 発表場所
      京都府京都市
    • 年月日
      2010-10-29
  • [学会発表] ラット下垂体前葉におけるI、III型コラーゲン産生細胞の同定2010

    • 著者名/発表者名
      藤原研, その他
    • 学会等名
      第25回日本下垂体研究会学術集会
    • 発表場所
      愛知県伊良湖市
    • 年月日
      2010-08-20

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公開日: 2012-07-19  

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