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2008 年度 実績報告書

足細胞の観点から原尿産生装置の進化を解明する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20790166
研究機関順天堂大学

研究代表者

市村 浩一郎  順天堂大学, 医学部, 助教 (10343485)

キーワード腎臓 / 糸球体 / 原尿 / 足細胞 / 細胞骨格 / アクチン結合蛋白質 / 排泄器官 / 比較解剖学
研究概要

哺乳類では他の動物群と比べ、桁違いに大量の糸球体濾過を実現している。これは、糸球体内圧(血圧)が著しく高いにもかかわらず、糸球体濾過障壁が菲薄なことによる。糸球体の表面には足細胞と呼ばれる上皮細胞が存在するが、哺乳類の足細胞ではアクチン細胞骨格の高度化(アクチン束の出現)が生じており、高い糸球体内圧から菲薄な糸球体壁を保護している。このアクチン細胞骨格の高度化を実現するうえで鍵となるのが、アクチン結合蛋白質のシナプトポディンではないかと(現時点では)推測している。というのも、シナプトポディンは哺乳類足細胞のアクチン束に局在し、かつ足細胞特異的に発現することが知られているからである。そこで、シナプトポディンの発現とアクチン細胞骨格の高度化に関連があるかどうかを検討するため、アクチン細胞骨格の高度化がみられない動物種(ゼブラフィッシュ)においてシナプトポディンの発現パターンを検討した。データベース検索(BLASTサーチ)の結果、ゼブラフィッシュにおけるシナプトポディンホモログ(zfSynpo-1)が見いだされ、RT-PCR法によりzfSynpo-1は少なくとも脳、体幹骨格筋、腎臓において発現することが判明した。現在、zfSynpo-1が足細胞で発現しているかどうかをin situハイブリッド形成法により検討中である。また、通常足細胞のアクチン細胞骨格はbeta-細胞質型アクチンにより形成されるが、両生類(ウシガエル、イモリ)ではこのアクチンアイソフォームはほとんど発現しないことも明らかとなった。両生類では、アクチン遺伝子の重複により他の動物群より多くのアクチンアイソフォームを有している。したがって、両生類では他の動物群とは異なるアクチンアイソフォームが足細胞におけるアクチン細胞骨格の形成に関与していることが推測される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 腎糸球体上皮細胞の細胞特性H〜比較細胞学的にみた糸球体上皮細胞の細胞特性〜2008

    • 著者名/発表者名
      市村浩一郎、坂井建雄
    • 雑誌名

      日本腎臓学会誌 50

      ページ: 540-546

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Glomerular endothelial cells form diaphragms during development and pathologic conditions2008

    • 著者名/発表者名
      Ichimura K, Stan RV, Kurihara H, Sakai T
    • 雑誌名

      Journal of the American Society of Nephrology 19

      ページ: 1463-1471

    • 査読あり
  • [学会発表] タンニン酸ブロック染色および低温下アセトン脱水の効用2008

    • 著者名/発表者名
      市村浩一郎
    • 学会等名
      第113回電子顕微鏡技術研究会
    • 発表場所
      順天堂大学(東京)
    • 年月日
      2008-09-06
  • [学会発表] 腎臓の老化による構造変化2008

    • 著者名/発表者名
      市村浩一郎、坂井建雄
    • 学会等名
      第51回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡市)
    • 年月日
      2008-06-01
  • [学会発表] 糸球体足細胞におけるアクチンアイソフォームの局在様式2008

    • 著者名/発表者名
      市村浩一郎、栗原秀剛、坂井建雄
    • 学会等名
      第51回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡市)
    • 年月日
      2008-05-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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