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2009 年度 実績報告書

肺水調節における濃度感受性ナトリウムチャネルの関与

研究課題

研究課題/領域番号 20790183
研究機関近畿大学

研究代表者

萩原 央記  近畿大学, 理工学部, 助教 (70411577)

キーワード生理学 / ナトリウムチャネル / 炎症 / 肺
研究概要

本研究の目的は、肺における濃度感受性Na^+チャネル(Na_cまたはNa_x)の肺水調節への関与を明らかにすることである。今年度は以下の実験をおこなった。
1. 肺炎モデルマウスを用いたNa_cの発現解析
成熟マウスの気管から、炎症誘発物質を投与することにより、肺に炎症を起こし、そのときの肺におけるNa_c発現の変化を解析した。大腸菌リポポリサッカリドを投与した場合、炎症の発生に伴いNa_cの発現量は、大幅に減少した。抗がん剤であるブレオマイシンによって引き起こされた炎症では、Na_cの発現量にあまり変化がなかった。このことから、炎症の発生機序によってNa_cの発現調節に違いがあると考えられる。
2. Naの肺における局在
Na_cの発現は肺胞上皮II型細胞に発現していることが報告されているが、肺胞上皮I型細胞にも発現しているのではないかと考え、坑Na_c抗体を用いて肺組織におけるNa_cの局在を観察した。その結果、Na_cは肺胞上皮の細胞膜に局在していた。このことから、肺胞上皮面積の95%を占める肺胞上皮I型細胞にもNa_cが発現していることが分かった。
3. 肺粗織切片での細胞内Na^+濃度変化の観察
成熟マウスから肺を取り出し、細胞が生きた状態で切片を作製した。その肺組織切片をNa^+感受性蛍光色素で染色し、細胞外Na^+濃度を上昇させたときの細胞内Na^+濃渡変化を画像解析した。その結果、細胞外液のNa^+濃度を上昇させると、細胞内Na^+濃度も上昇した。細胞外Na^+濃度依存的に細胞内Na^+濃度が上昇したことから、肺組織においてNa_cがNa^+チャネルとして機能していることが示唆された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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