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2010 年度 実績報告書

肺水調節における濃度感受性ナトリウムチャネルの関与

研究課題

研究課題/領域番号 20790183
研究機関近畿大学

研究代表者

萩原 央記  近畿大学, 理工学部, 助教 (70411577)

キーワード生理学 / ナトリウムチャネル / 炎症 / 肺
研究概要

本研究の目的は、肺における濃度感受性Na^+チャネル(Na_cまたはNa_x)の肺水調節への関与を明らかにすることである。今年度は以下の実験をおこなった。
1.肺炎モデルマウスを用いた炎症回復期のNa_cの発現解析
成熟マウスの気管から、炎症誘発物質の大腸菌リポポリサッカリドを投与することにより、肺に炎症を起こしそのときの肺におけるNa_c発見の変化を解析した。炎症初期では肺胞腔に好中球の滲出が見られ、その数の増加にともないNa_cの薬現量が著しく減少した。滲出好中球数が減少に転じ回復期に移行すると、Na_cの発現量は投与前レベルに回復した。肺組織の湿重量を測定し肺水腫の傾向をべたところリポポリサッカリド投与後、肺湿重量は増大し肺水腫の傾向が強まるが、Na_cの発現量が回復した後、肺湿重量は減少に転じた。このことからNa_cが肺の水分調節に関与していることが示唆された。
2.肺組織切片での細胞内Na^+濃度変化の観察
成熟マウスから肺を取り出し、細胞が生きた状態で切片を作製した。その肺組織切片をNa^+感受性蛍光色素で染色し、細胞外Na^+濃度を上昇させたときの細胞内Na^+濃度変化を画像解析した。その結果、細胞外液のNa^+濃度を上昇させると、細胞内Na^+濃度も上昇した。NaCl添加による細胞外液の浸透圧上昇の影響も考えられるため、細胞外液の浸透圧を上昇させたところ、細胞内Na^+濃度が上昇した。この上昇は上皮性Na^+チャネルによるものだと考え、その阻害剤であるアミロライドを細胞外液に添加し、細胞外液のNa^+濃度を上昇させると、細胞内Na^+濃度が上昇し、浸透圧を上昇させたときは細胞内Na^+濃度が変化しなかった。このことから上皮性Na^+チャネルだけでなく、Na_cもNa^+の上皮細胞内への取り込みに関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Suppression of concentration-sensitive sodium channel during acute lung injury induced by lipopolysaccharide in mice2010

    • 著者名/発表者名
      萩原央記
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会 第83回日本分子生物学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-12-08

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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