研究課題
若手研究(B)
本研究は、老化に伴うコリン作動性神経の活動低下を予防するための各性に適した生活環境(食事量、運動量)を同定することを目的として行った。平成21年度に、研究の途上、偶然にも、ラットを乳児期後期から幼児期初期(生後9日目と11日目)の間で低栄養状態にすると、感覚、運動、認知機能は正常であるにも関わらず、雄性ラットのみが、情動性を測定する試験において、不安行動を亢進し、特定箇所を執拗に探索する行動(常同行動)を呈し、さらに、社会性を測定する試験において他個体との関わりを減少させることを発見した(Takase et al., 2009)。これら一連の行動異常は、雌性ラットにはまったく認められなかった。研究結果は、成熟後の脳機能を育むために必要な乳幼児期の生活環境が雌雄で異なることを示している。雄性ラットは、乳幼児期における低栄養状態に非常に脆弱であり、この時期における栄養状態が成熟後の情動性や社会性にまで影響を与えることが示唆された。
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http://www.himeji-du.ac.jp/faculty/professor/dp_pharm/takase.html