• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

光誘導かつ概日リズム変動型遺伝子の点突然変異遺伝子解析による生物時計機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20790196
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

福村 龍太郎  独立行政法人理化学研究所, 新規変異マウス研究開発チーム, 開発研究員 (90392240)

キーワード概日リズム / 変異マウス
研究概要

2年度目は光誘導かつ概日リズム変動を示すDusp4遺伝子のENU誘発点突然変異スクリーニングを実施した。Dusp4遺伝子領域内にはC57BL/6JとDBA/2Jマウスの系統間SNPが存在し、TILLING法による変異解析は不可能であった。そこでHRM法で4エクソン領域を増幅するPCRプライマーを設計し、ENU誘発点突然変異マウスDNAライブラリー6856匹に対して変異スクリーニングを実施した。その結果、1年度目に発見した87番目のロイシンをグルタミンに置換する変異以外、発見は出来なかった。変異発見効率は8.2Mbpに1変異となり、平均の約1/8ほどの値であった。この結果はORF内部にあった系統間SNPの影響で、点突然変異発見効率が著しく低下したと推測される。Dusp4遺伝子と同様に光誘導かつ慨日リズム変動を示すSlc39a6遺伝子のENU誘発点突然変異スクリーニングを行ったところ、541番目のチロシンが終止コドンに変異したマウスを発見した。この変異体を個体に復元し、RT-PCRによりslc39a6遺伝子の発現を確認した結果、発現レベルは野生型の5%以下に低下していた。野生型と変異型における慨日リズム周期を測定したところ、個体レベルによる異常は確認出来なかった。変異型において、他の異常を検査したところ、オス変異型マウスのみ、妊性能力の著しい低下を発見した。マウスの妊性は日照時間と強い相関があり、また概日リズムも光によって強く制御されていることから、この発見は極めて興味深い。今回の研究から、光誘導かつ概日リズム変動を示すDusp4, Snk, Slc39a6遺伝子の変異体を6種類発見した。しかしSnk, slc39a6変異体を調べた結果、各遺伝子の慨日リズムへの関与は証明できなかった。一方、slc39a6遺伝子は雄性妊性能力に重要な働きを示唆するデータが新たな知見として得られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Next-generation gene targeting in the mouse for functional genomics2009

    • 著者名/発表者名
      Gondo Y
    • 雑誌名

      BMM Rep 42

      ページ: 315-323

  • [雑誌論文] Serine racemase is associated with schizophrenia susceptibility in human and in a mouse model2009

    • 著者名/発表者名
      Labrie V
    • 雑誌名

      Hum Mol Genet. 18

      ページ: 3227-3243

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ENU-induced mutant mice for a next-generation gene-targeting system2009

    • 著者名/発表者名
      Gondo Y
    • 雑誌名

      Progress in Brain Research 179

      ページ: 29-34

  • [学会発表] Next-generation gene targeting system based on ENU mutagenesis2009

    • 著者名/発表者名
      福村龍太郎
    • 学会等名
      第32回 日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      日本 横浜
    • 年月日
      2009-12-12
  • [学会発表] Evaluation of a massive mutations discovery method by exon enrichement system2009

    • 著者名/発表者名
      福村龍太郎
    • 学会等名
      International mammalian genome conference
    • 発表場所
      アメリカCA La Jolla
    • 年月日
      2009-11-03
  • [図書] 「モデル動物利用マニュアル」:ENUマウスミュータジェネシス

    • 著者名/発表者名
      福村龍太郎
    • 出版者
      エル・アイ・シー(In press)

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi