研究概要 |
本研究の課題における仮説の1つである、産後3週間後のラットにみられる行動の変化は、出産に伴うエストロジェンの低下およびエストロジェンのERαを介した作用の関与を、ERαアゴニスト投与により、これら行動変化がなくなることから再確認し、本仮説を明らかにすることができた。 行動解析(Open field, Elevated plus maze, Social interaction, Prepulse inhibition, Forced swimming)により出産3週間後の母ラット(Long Evans)で検出された不安様ならびにうつ様行動が、17 β- estradiol(E_2 ; 0.25mg/ kg、N=6)、ERαアゴニストであるpropyl- pyrazble- triol(PPT ; 1.0mg/ kg、N=6)、ERβアゴニストであるdiaryl-propio-nitrille(DPN ; 1.0mg/ kg、N=6)および対照群としてセサミオイル(N=6)を皮下へ4日間投与することによって、どのように変化するかを、出産3週間後の母ラットを用いて再検討した。その結果、E_2投与ならびPPT投与によって不安様ならびにうつ様行動が、みられなくなった。しかし, DPN投与による行動における変化はみられなかった。したがって、産後3週間後のラットにみられる不安様ならびにうつ様行動の変化は、出産に伴うエストロジェンのERαを介した作用によるものであることが明らかとなった。
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