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2009 年度 実績報告書

N1pC/p60ファミリーに属する新規リン脂質代謝酵素群の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20790231
研究機関香川大学

研究代表者

宇山 徹  香川大学, 医学部, 助教 (30457337)

キーワードH-rev107 / HRASLSファミリー / 癌抑制遺伝子 / グリセロリン脂質 / ホスホリパーゼA_1 / ホスホリパーゼA_2 / レシチン・レチノール・アシルトランスフェラーゼ / アシル転移酵素
研究概要

最近、我々は、癌抑制遺伝子として単離されたH-rev107が、リン脂質から脂肪酸を遊離させるホスホリパーゼ(PL)A_1およびA_2活性を示すことを明らかにした。その過程で、H-rev107に相同性を示す2種のヒト分子(HRASLS2とTIG3)を見出した。HRASLS2とTIG3もH-rev107と同様に癌抑制遺伝子として分類されていたが、酵素機能は不明であった。しかしながら、H-rev107の酵素活性に必要とされる複数のアミノ酸残基が両分子においても保存されていることから、これらは脂質代謝酵素であることが予想された。そこで、ヒトのHRASLS2とTIG3のcDNAをクローニングし、FLAGタグを付加した組換えタンパク質としてCOS-7細胞で発現させ、酵素活性を測定したところ、H-rev107と同様にPLA_1/A_2活性が検出された。次に、両分子を抗FLAG抗体をリガンドとするアフィニティークロマトグラフィーによってほぼ均一にまで精製し、これらを用いて酵素学的性質を解析した。その結果、還元剤であるDTTにより活性化され、SHプロッカーであるヨード酢酸で阻害されることが明らかになった。いくつかの既知のPLA_2で見られるCa_<2+>依存性は認められなかった。また、放射標識した種々のグリセロリン脂質を基質とし、PLA_1活性の方がPLA_2活性よりも優位であることが明らかになった。ヒト組織における発現分布をPCRで解析した結果、H-rev107とTIG3は調べた組織すべてにおいて発現しており、特にHTev107は脂肪組織において高発現していた。一方、HRASLS2は組織特異的な発現パターンを示し、腎臓や肝臓などで強く発現していた。以上の結果から、癌抑制遺伝子として単離されたHRASLS2とTIG3が、グリセロリン脂質を基質とするPLA_1/A_2型加水分解酵素であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Heparanase enhanced shedding of syndecan-1 by myeloma cells promotes endothelial invasion and angiosenesis2010

    • 著者名/発表者名
      Anurag Purushothaman
    • 雑誌名

      Blood 115

      ページ: 2449-2457

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization of the human tumor suppressors TIG3 and HRASLS2 as phospholipid-metabolizing enzymes2009

    • 著者名/発表者名
      Toru Uyama
    • 雑誌名

      Biochimica et Biophysica Acta 1791

      ページ: 1114-1124

    • 査読あり
  • [学会発表] Characterization of the human tumor suppressors TIG3 and HRASLS2 as phospholipid-metabolizing enzymes2009

    • 著者名/発表者名
      Toru Uyama
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸国際展示場(兵庫県)
    • 年月日
      2009-10-22
  • [学会発表] Tumor suppressor gene H-rev107 encodes a Ca^<2+>-independent cytosolic phospholiase A<1/2> with a low phosphatidylethanolamine N-acyltransferase activity2009

    • 著者名/発表者名
      Toru Uyama
    • 学会等名
      Cannabinoid Function in the CNS : Gordon Research Conference
    • 発表場所
      University of New England(アメリカ)
    • 年月日
      2009-08-05
  • [学会発表] THE TUMOR SUPPRESSOR H-REV107 FUNCTIONS AS PHOSPHOLIPASE A_<1/2> WITH A LOW N-ACYLTRANSFERASE ACTIVITY2009

    • 著者名/発表者名
      Toru Uyama
    • 学会等名
      19th International Cannabinoid Research Conference
    • 発表場所
      Pheasant Run(アメリカ)
    • 年月日
      2009-07-10
  • [学会発表] CHARACTERIZATION OF THE TUMOR SUPPRESSOR H-REV107 AS A NOVEL Ca^<2+>-INDEPENDENT CYTOSOLIC PHOSPHOLTPASE A_<1/2>2009

    • 著者名/発表者名
      Toru Uyama
    • 学会等名
      4th International Conference on Phospholipase A_2 and Lipid Mediators
    • 発表場所
      学術総合センター(東京都)
    • 年月日
      2009-05-26
  • [備考]

    • URL

      http://www.kms.ac.jp/~biochem/index.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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