ヒト化モデルマウスを利用したニッチシステムによるヒト造血幹細胞制御機構の解明

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20790238
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 医化学一般
• 研究機関: 東海大学
• 研究代表者: 八幡 崇 東海大学, 医学部, 講師 (10398753)
• 研究協力者: 中山 ゆかり (六車 ゆかり) 東海大学, 医学部, 研究員 (80398750) ; 安藤 潔 東海大学, 医学部, 教授 (70176014)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2009
• キーワード: 造血幹細胞 / ニッチ / クローン解析 / ヒト化モデルマウス / 間葉系幹細胞

研究概要

血液腫瘍等の難治性疾患に施行される造血幹細胞移植は、再生医療の代表的な例である。我々は、ヒト造血幹細胞の移植に伴う造血再構築反応と恒常性維持機構をモデルシステムとして、幹細胞システム制御機構の再生医学への応用を目指した研究課題に取り組んだ。本研究課題では、個々の幹細胞の生体内動態をクローンレベルで解析する実験系を確立し、移植後の幹細胞の動態に関するより詳細な解析を実現した。本研究成果は、ヒト幹細胞の多能性制御機構の解明に寄与するものであり、得られた知見は難治性疾患に対する幹細胞システムを利用した再生医療法の適応拡大のみならず、幹細胞システムの破綻や老化に起因する腫瘍性疾患などの様々な疾患の発症・進行の機序解明につながる重要な情報を提供するものである。

研究成果

• [雑誌論文] FLT3-ITD induces ara-C resistance in myeloid leukemic cells through the repression of the ENT1 expression. (2009)
  • 著者名/発表者名: Jin G, Matsushita H, Asai S, Tsukamoto H, Ono R, Nosaka T, Yahata T, Takahashi S, Miyachi H.
  • 雑誌名: Biochem Biophys Res Commun. 390(3) ページ: 1001-1006
  • 査読あり
• [雑誌論文] FACSを用いたヒト造血幹細胞の生体内における性状解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 八幡崇、六車ゆかり、安藤潔
  • 雑誌名: Cytometry Research 19(2) ページ: 19-23
  • 査読あり
• [雑誌論文] Quiescent human hematopoietic stem cells in the bone marrow niches organize the hierarchical structure of hematopoiesis. (2008)
  • 著者名/発表者名: Yahata T, Muguruma Y, Yumino S, Sheng Y, Uno T, Matsuzawa H, Ito M, Kato S, Hotta T, Ando K.
  • 雑誌名: Stem Cells. 26(12) ページ: 3228-3236
  • 査読あり
• [雑誌論文] Delta-like 4 is indispensable in thymic environment specific for T cell development. (2008)
  • 著者名/発表者名: Hozumi K, Mailhos C, Negishi N, Hirano K, Yahata T, Ando K, Zuklys S, Hollander GA, Shima DT, Habu S
  • 雑誌名: J Exp Med. 205(11) ページ: 2507-2513
  • 査読あり
• [雑誌論文] Expression of Delta-like 1 in the splenic non-hematopoietic cells is essential for marginal zone B cell development. (2008)
  • 著者名/発表者名: Sheng Y, Yahata T, Negishi N, Nakano Y, Habu S, Hozumi K, Ando K
  • 雑誌名: Immunol Lett. 121(1) ページ: 33-37
  • 査読あり
• [雑誌論文] Adipocyte-derived mesenchymal stem cells facilitate hematopoiesis in vitro and in vivo: advantages over bone marrow-derived mesenchymal stem cells.
  • 著者名/発表者名: Nakao N, Nakayama T, Yahata T, Muguruma Y, Miyata Y, Naoe T.
  • 雑誌名: Am J Pathol (In press)
  • 査読あり
• [学会発表] Importance of Notch signals in hematopoietic homeostasis (2009)
  • 著者名/発表者名: M uguruma Y, et al.
  • 学会等名: The 26th Naito Conference on Osteobiology
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2009-11-05
• [学会発表] Adipocyte-derived stromal cells facilitate hematopoiesis in vitro and in vivo (2009)
  • 著者名/発表者名: N akayama T, et al.
  • 学会等名: 日本血液学会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2009-10-12
• [学会発表] DNA損傷の蓄積によるヒト造血幹細胞の自己複製能の低下 (2009)
  • 著者名/発表者名: 八幡崇, 他
  • 学会等名: 日本血液学会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2009-10-11
• [学会発表] Importance of Notch signaling in maintaining hematopoietic homeostasis (2009)
  • 著者名/発表者名: M uguruma Y, et al
  • 学会等名: 日本血液学会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2009-10-11
• [学会発表] Importance of Notch signals in hematopoietic homeostasis (2009)
  • 著者名/発表者名: M uguruma Y, et al
  • 学会等名: 幹細胞シンポジウム
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2009-05-15
• [学会発表] ヒト造血幹細胞の造血再生の動態と老化 (2009)
  • 著者名/発表者名: 八幡崇, 他
  • 学会等名: 日本再生医療学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2009-03-05
• [学会発表] 骨髄異形成症候群のi n vivoモデルの確立 (2008)
  • 著者名/発表者名: 松下弘道, 他
  • 学会等名: 日本血液学会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2008-10-11
• [学会発表] 骨髄造血微小環境の恒常性維持におけるJagged1分子の重要性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 六車 ゆかり, 他
  • 学会等名: 日本血液学会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2008-10-11
• [学会発表] FACSを用いたヒト造血幹細胞の生体内における性状解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 八幡崇, 他
  • 学会等名: 日本サイトメトリー学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2008-06-26
• [図書] 血液・腫瘍科(インターフェロンaは造血幹細胞を細胞周期に導入する) (2009)
  • 著者名/発表者名: 八幡崇
  • 総ページ数: 62-63
  • 出版者: 科学評論社
• [図書] 血液フロンティア(iPS細胞による鎌状貧血の治療) (2008)
  • 著者名/発表者名: 八幡崇
  • 総ページ数: 1750-1755
  • 出版者: 医薬ジャーナル